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31 闇の中の光

疲れ切った身体を引きずりながら、俺は荒涼とした砂漠を歩いていた。

乾いた風が頬を叩き、足元の砂がざらついた音を立てる。

目指すは遥か前方に広がる「砂漠の迷宮」。

無音の空間に響くのは、自分の足音だけだった。


「獲物か…」

ふと漏らした声は、砂漠の空気に溶けていく。


「心が空っぽだな、修羅。」

神威の声が静かに響き、胸の奥を突いてきた。


俺は立ち止まり、視線を空へ向けた。

焼けつく日差しが砂の海を照らし、遠くまで広がるのは果てしない荒野。

その中で、心の隙間に気づかされる。

戦いを繰り返しても、満たされることのない何か。

倒すたびに次の戦いが待ち受ける。

その単調さが俺の中に疑問を生み出していた。


「お前の中にあるその疑念が試練を迎えるときだ。」

神威の言葉が冷静に響く。

俺は深呼吸をし、再び前を向いた。

心の空白が埋まることはない。

だが、それでも進むしかない。


強くなること。それが俺の生きる証だと信じてきた。

けれど、いつの間にか、その理由さえ揺らいでいる。

そんな思考を振り払うように、足を進めた。


熱風が顔に砂を叩きつける。

そのざらつきが逆に心地よく感じられ、俺は微かに笑みを浮かべた。

自分を試す戦い。それが目の前に近づいている気配に、胸が熱くなる。


「こっちだ。」

地平線の向こうに動く影を見つけ、俺は歩みを速めた。

現れたのは巨大な砂の巨人。

その姿はまるで砂漠そのものが命を持ったようだったが、俺にはすぐにわかった。

これは魔物だ。


「サンドゴーレム。魔力で作られた砂の巨人。再生力が強い。倒すにはまず力を封じる必要がある。」

神威の分析が脳内に響き、俺は霊刃を引き抜いた。


ゴーレムは砂でできているため、斬撃を加えても再生する。

だが、俺は歩みを止めず、神威の助言を元に作戦を練った。


「魔法を駆使しろ、修羅。砂を固めて動きを封じ、攻撃する隙を作るのだ。」

神威の指示に従い、俺は魔法陣を展開。

霊刃から放たれる冷気で砂を固め、動きを封じ込めた。


固まった足元を狙い

俺は

一気に

斬りかかる


黒炎を纏った刃が

ゴーレムの体を切り裂き

再生を

封じる



神威の言葉に従い、俺は斬撃の手を止めることなく攻め続けた。

魔法と斬撃が一体となり、ゴーレムを追い詰めていく。


さらに魔力を込め、最後の一撃を放つ。


刃先から放たれた黒炎がゴーレムの核を貫き、砂の巨体が崩れ落ちた。

残ったのは、輝きを放つ魔石だけ。



近くの町へ向かい、俺は一息つくため小さな茶屋に入った。

湯気の立つお茶をすすりながら、次の準備を頭の中で整える。


「次はどんな戦いが待っているだろうな」


「お主が次に向かうべき場所、それが戦いを呼び寄せる。」

神威の冷徹な声が心に響いた。


外の喧騒を眺めながら、俺は次の戦いの気配を感じていた。

再び心が高鳴り、狩猟への興奮が蘇る。




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