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6人目・とある伯爵令嬢〈エピローグ5〉
わが娘とツンデレ魔法使いの婚約が調いました。
身分違いの結婚というものは、やはり厄介な点はありますもの。
それを解消すべく、様々な手を打ちましたわ。
そういえば。
最近すっかり忘れておりましたけれど、わたくし転生者だったのでしたわ。
この程度で転生者といっていいものかどうか、ちょっと迷いますけれど。
何通か手紙を書いた後、ソファで休憩していましたら、ジェイド様もこちらに来られました。
ジェイド様は年を重ねるごとに渋みも増して、相変わらずイケメンでいらっしゃいます。
ジェイド様がわたくしの隣に座ります、まるで恋人どうしのような距離に。
そしておっしゃるには、
「あなたは本当に、愛らしい」
……わたくし、もう若くはありません。アラフォーという年齢ですわ。
それでもジェイド様は、そうおっしゃいますのね。
やはり解釈が難しいですわ。むしろ、そのままの意味なのかしら。それとも、老眼には早い気がしますけれど。
ジェイド様が穏やかに笑って、わたくしの肩を抱いて。
わたくしは、ジェイド様に寄り添うように身を寄せます。
この世界が何を考えているのか、何を望んでいるのか。
そんなこと、わたくしには到底わかりません。
わかることは唯一つ。
わたくしが願ったものは、幸せ。
そうですわね。
わたくしは幸せなのです。




