表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/29

4人目・とある侯爵令嬢〈エピローグ〉


 魔法使いとわたくしの婚約が、あと一歩で調います。

 わが侯爵家が持っている子爵位を、わたくしが継がせてもらう予定です。

 キリル様の研究が認められて、一代限りの爵位をいただける予定です。

 そうすれば婚約、そして結婚ができる。

 念願の、魔法(を見せてもらう)生活が叶う!

 わたくし、この世界のありとあらゆるものに、感謝を捧げたい気分ですわ!


 そして、わたくしはいつものように、中庭の片隅に来ております。

 第一に、魔法を見せてもらうため。

 第二に、キリル様にお伝えしておかねばならないことがあって。


「領地経営ならば、ある程度はできます。

 幸いなことに、わたくしの頭はけっこう優秀みたいで。

 それにお父様と、お母様と、弟が、優秀な人材を取り揃えてくださいましたの。

 ですから、キリル様は魔法の研究に専念していただいて大丈夫ですわ。

 そしてわたくしに、毎日、魔法を見せていただいても、大丈夫ですわ!」


 え、キリル様、どことなく不機嫌そうですね。

「もしかして、余計なことでしたか?」

 待望の、一日二回、魔法生活が……。


「あーもう、そんなこの世の終わりのような顔すんな!俺、すげー外道みたいじゃねえか!」

 魔法使いが何か言ってるみたいですが、わたくし、それどころではありません。


「俺は魔法しかできない、だから。お嬢様が俺の魔法で喜ぶなら、いくらでも見せてやる!

 なんだ、嬉しくないのかよ!?」


 何をおっしゃいますやら。

「もちろん、嬉しいに決まっておりますわ。ただ」


「ただ?」

「そろそろ、名前で呼んでほしいですわ」

 おや、魔法使いが絶句しておりますわね。


「……、……、……、……、……、リーネ」

 思わず、じっと観察してしまいました。


「仕方ねーだろーが!!」

 キリル様が怒鳴って、そのあと、ぼそりと付け加える。

「俺は、お嬢様に、惚れてるんだから」




 かくして。

 エカテリーネの物語は、ハッピーエンドに向かう。

 これ、向かってますわよね。きっとそうですわよね?


 ただ、そうしますと。

 ひとつ、疑問が残る。


 わたくし、全然頑張りませんでしたけれど、これで良かったのかしら?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ