表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/29

3人目・とある子爵令嬢〈エピローグ〉



 恒例となったお茶の時間ですが、今日は場所を移して、四阿で長めの休憩とのこと。

 クライス様、朝からずっと執務室にこもられていたから、良い案ですね!


 侍従の方が用意してくださったお茶と焼き菓子を、二人でいただきます。

 リフレッシュ効果のための会話だけど、そんなことどうでもよくなるくらい、この時間が嬉しい。


 何より、今日のクライス様を表すならば。

 そのお姿に、呪いの跡が添えられて、味わいがあり。

 でも、どれから食べようかと迷われているお姿に呪いの跡が加わると、いつもの印象とのギャップがたまらない。


 クライス様が眉を寄せる。

「常々思っていたが、いったい君の頭の中は、どうなっている?」


 どうと言われましても、例えば今ならば。

「クライス様の容姿端麗なお姿に、呪いの跡が哀愁のように添えられ、味わい深い魅力となっておりますね。

 でも、どの焼き菓子から食べようかちょっと迷われますと、呪いの跡があることでお茶目さがより引き立てられ、いつもの理知的な印象とのギャップがたまりません!

 と、思っていました」


 クライス様が何とも言えないお顔をされる。

「これを私が言うのはどうかとも思うが。本当に、君の頭の中は、私でいっぱいだな」

 それは……、まさにその通りです!クライス様、よく分かっていらっしゃいますね。


 クライス様が呆れたようにため息をつく。

「まあいい。とりあえず言っておく」

「はい、何でしょう」


「愛している。

 この言葉を言ってもいいと思うくらいには、私は君を気に入っている」


 ……。

 ……。

 ……。

 一生聞けないかもと覚悟していた言葉を、クライス様からいただけるなんて。

「嬉しさのあまり、死にそうな気分です」


「君はまた、極端だな。まあ死ぬな。

 それよりも、そんなに私が気に入っているなら、一生隣で見ていればいい」


 ……。

 ……。

 それは。

 もしかして、もしかしなくとも、プロポーズと解釈してもよろしいでしょうか!?

 これまた、一生聞けないかもと覚悟していた言葉を、もうひとついただけるなんて!

「天国か、もしくは地獄に行けそうな気分です」


「どっちもやめておけ。そんなところに行く暇があるなら、仕事しろ」

 極めて現実的なお言葉、ありがとうございます。

 つまり、やっぱり 一生隣で見ていればいい、ってことですよね!!


「クライス様、あたし、これから一生ずっと幸せだと思います」


 クライス様が、呆れたようにこちらを見た後、ふいと視線をそらせてしまいました。

 でも、あたしにはわかりますよ、たぶん。

 クライス様、照れてますね?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ