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それから

短めです

「今日のチップはどれどれ…」


 あれから魔王城へと戻った私にムシューの困ったようなどこかホッとしている表情に苦笑するしかなく、魔王の膝の上で色々と聞いた。

 魔王の魔力は莫大で本人も感情の起伏による魔力の漏洩は制御出来ないらしい。最近晴天続きだったのは魔王の機嫌の良さの表れだったとか。言われてみればこちらに来てから曇りひとつなく畑作業が快適に続いていたなぁと思い出す

 魔王からは両掌に収まるほどの水晶の球をひとつ頂いた。これは魔力を込めると魔駝鳥の目を通したものが見えるという。覗き込むとチップが若い栗毛の女性に介抱されているのが見える。ムシューが送ってくれた人物は見た目は人間にしか見えなかった。パン粥を食してるチップに安堵を覚え、掌を外せば映像は消えた


 私の夢だった飲食店も実は着々と進んでいる。アイスクリームが完成したのです。味のバリエーションも次々と増えかき氷に並びメイドやムシューからは好評。魔王城だからと諦めてたけどよくよく考えたら別に人間相手じゃなくて良くない?に気づいた

 ただ魔王はアイスクリームの試食が自分じゃなかったことを何故か根に持っていて新作は必ず譲らない。怖いイメージの魔王だったが…


「スカーレット、今日は何を作っている?」

「ルーク様、抹茶味のアイスクリームを作っているところですわ」


 いつも背後から現れるのも抱きしめられてしまうのもお決まりになっている。くすりと笑ってかき混ぜているボウルを見えるように傾ける


「ほう…。どれ」

「あっ」


 ツイっつ緑のアイスが背後から回った腕により掬って味見をする魔王。抹茶の味の再現は苦労したのだけど、どうかしら

 気になり顔をあげて魔王を伺う。おや、と方眉を上げた魔王は頭を下げて軽く啄む口付けを落とす。ひんやりとした唇に抹茶の味が少しだけ、した。


「どうだ?」

「…美味しい、ですわ」

「うむ。俺もだ」


 ニィ、と口端を上げて笑う魔王は魔王であって魔王っぽくなくて。明るい顔に、逆に口付けの余韻に頬を赤くしている自分が恥ずかしい。

 作り終えたアイスクリームは魔王の持つ収納袋へと収めてもらっている。かき氷も同様にすべて作って渡している。これが良かったみたいで外はいつも晴天。あれから天気は曇ったことがない程。余程の執着…。ムシューは食べ物じゃなくて私に執着してるって言うけど、まぁ…最近はもしかしたら、と感じることも無いわけじゃない。

 これだけスキンシップが多ければ流石の私でも分かるわ。

 

 これは悪役令嬢が魔王ルートに入ってスローライフにならなかった話



 って、まだ私諦めてませんけどーっ

走り抜けるように書き終わりました。この後は不定期に投稿できたらなと思います。

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