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まさかの好感度!?


「こちらが魔王様の私室となります」


 完璧な所作で案内された扉の前で私は立っていた。

 あれから気合を入れて家から出てみれば前回見た初老の男性と馬車が待ち構えて、「スカーレット様の案内を致しますので」と言われて隣なのに馬車に乗り、城へと入ればすぐに魔王と対面かと思えばメイドらしき人達に連れられ、あれやこれやとドレスに化粧にとすべてを整えられてしまった。もちろん髪飾りは大粒のルビーの髪留め。


「魔王様、お連れ致しました」


 男性が重厚な扉へと声をかけるとまるで答えるかのように扉がゆっくり左右開いていく。扉の向こう、窓際からの光が逆光になりよく見えない。目を細めてよく見やれば人影が


「良い、こちらへ」

「スカーレット様、どうぞ」


 確かに魔王の声。男性に促されおずおずと扉を潜る。私何も持たずに来てしまったけど良いのかしら…この前に買い物のお礼もかき氷だけだったし。今更ながら何か持って来ればよかったと思いながらも魔王へと歩いていく


「ルーク様、今日は」

「ふむ、やはり良いな」


 何の用事でしょうかと尋ねたかったのに被さる言葉は意味が分からない


「その髪飾りには黒のドレスがよく合う」

「あっ、やっぱりルーク様だったんですね、ありがとうございます」

「ああ、似合うと思ってな」

「お気持ちは嬉しいのですが、このような物を頂けるわけには…っ」


 気が引けます…。と続く言葉は魔王が髪へと触れて止まってしまう。まただ。頬が赤くなるのを感じる。この前のような緊張が走りドレスの裾をキュっと握りしめる。頭上から聞こえる低音に何故か鼓動も早くなる


「俺が送りたかっただけだ。気にすることはない」

「そ、そうなんですか」

「何、俺が自分の物に飾り楽しむのは当たり前のこと」

「そうなんですね…って、えっ?」


 今、何と言った?私のことを自分のモノ…!!

 カァァァっと全身の体温が上がるのを感じる。反射的に顔を上げてしまい、魔王を視線が合わさると目元を細め笑みを含んだ表情の魔王が居た


「冗談がお上手ですわ、それより今日は」

「冗談だと思うか?」


 魔王の言葉の意味を深く知りたくなくて話を変えよとしても許してくれないらしい。赤い顔のまま魔王を伺うと、見せつけるように髪へと口付けられてしまった。


「…っ」

「スカーレット」

「…ルーク様」


 ドキドキと鼓動の音が聞こえてしまうんじゃないかと思う。魔王の唇に、私の髪に、目が離せない。

 本当にどうして、自分の感情が分からない。赤くなってる顔を両手で隠すしかなくって

 顔を隠した私が面白いのか低く笑う声が頭上から聞こえた


「やっぱり、からかって…っ」

「いや。冗談では無い、お前の反応が楽しくてな、すまぬ」


 さらりと告げる魔王に、ぽかんと赤い顔のまま見上げてしまう

 魔王が謝るですって…!!激シオ対応の魔王が謝る時は好感度70%達成している時のみ。えええ、どこに好感度上がるポイントがあったの!?あれ?これって魔王ルート……?


「うそーーーー!?」

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