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帰り道はドキドキの茹蛸です!

「ふー、買い物は以上ですわ」


 あれから本屋、精肉店、香辛料など色々な主に食生活品を購入していき収納袋へと入れていった。その間、魔王は隣で大人しく付き添ってくれていて良かった。これで暫くの間は大丈夫

 私達は買い物は十分したので馬車に戻ってきていた



「あ!そういえばタツキはどうしたのかしら?」


 気絶していた獣人に今更ながら心配するも


「あの獣人なら教会、とやらに送っておいた」


 さらりと告げる魔王に


「それはありがとうございました。でもいつの間に…?」


 魔王はずっと一緒に居たはず。いつそんな時間があったのだろう?

 

「何、先程我の下部より連絡があった」

「私、顔に書いてありました?」

「お主は分かりやすい」


 思ってたことをずばりと言われて両手で頬を隠す。ちょっと恥ずかしい

 私の様子が可笑しいのかクツクツと笑うと魔王が頭をそっと撫でる


「う~…子供じゃありません…っ」

「知っておる」


 だったら笑うのやめて下さいっ

 赤い頬が収まらなくて視線を感じながらも下を向く。今目線が合ったらどうしていいかわからない。チップとは違う大人の男性。魔王だけど。

 今日は何で一緒に来てくれたんだろう


「ルーク様…」

「何だ?」


「何でもありません」


 見られたくなくて余計に下を向いた顎に節ばった指がかかる。顎を持ち上げられ視線が合わさるといつの間にか魔王はルークから魔王へと黒髪に戻っていた。


「ひゃっ」

「下を向くな。つまらぬ」


 向かい合った狭い空間の中、魔王の声が響く。捕らわれたように視線を外せず自分の鼓動の音が嫌でも気になる

 

「魔王様…」

「ルークと呼べと言っただろう」


 さらに顔を近づける魔王に少しでもと身体を反らし


「ルーク様…顔面が尊過ぎて辛すぎます…!」 



 恥ずかしぬってきっとこういうこと!!










 ゆでだこみたいになった私の反応が面白いのか気に入ったのか、あれから魔王は楽し気に私の髪を弄りながら偶に頬をなぞる

 其のたびに、変な声が出るしびくりと肩を揺らす私

 家に帰宅する頃には疲弊してしまい、魔王に腰を抱かれて帰宅した


「お、お嬢様何があったんですか!?」


 チップの声に大丈夫よーと手を振る。買い物自体は順調だったのよ…

 私の心がキャパオーバーなだけで


「ルーク様、もう大丈夫ですので…」

「ルーク様!?」


 お願い腕を解いてくれませんか、と頼むと驚いたチップの声。


「あ、魔王様の名前ね」

「そ、そそそうなんですね…」


 青い顔でチップはそっと視線を外した。逃げたわね!


「スカーレット、今日は楽しかったか?」

「え、ええ。はい、とても楽しかったですわ」

「そうか、なら礼はカキゴオリで良い」

「えっ?」


 もしかして魔王様はカキゴオリが食べたくて今日付き合ってくれたの?あの長い帰り道はカキゴオリ欲しさに、私へのご褒美…?

 分からないけどとにかくカキ氷を作ってさっさと帰って貰おう。ちゃちゃっと更に氷魔法でかき氷を作り、保存してあった苺ジャムをかけて魔王へ渡す


「はい、かき氷です。どうぞ帰りながら馬車で食べて下さい。あとついでに案内してくれた初老の男性の分もです」


 二つ分用意して魔王の両手へ渡す。二つを交互に見る魔王の背中を押して扉へと促し


「これは我は一つだけと…」

「御者が必要なければルーク様二つでも、どうぞ。でも早く食べないと溶けてしまいますよ?」



 ぐいぐいと促し、ばたんと扉を閉める

 もう私のHPは0なんですー!!

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