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節約に作りましょう

なかなかラブが進まずすみません

 マジックバッグの中から適当にパンと食材を取り出しサンドイッチを作ることにする。キッチンに立ち髪を後ろで束ねてから腕を捲る。調理済みの料理も収納してあるにはあるが時間がある時は作りたい

 記憶を思い出すまでは一切作ったこともなかったけれど転生前の私は普通のOLだったので自炊もこなしていた。学校では他人の目もあり何もできなかった分これから出来ると思うと胸が躍る

 掌からシャワーのように水を出して野菜を洗う。ほんと自分が水属性で良かった。水問題は大きい。洗った野菜をザルに移し、魔焜炉にフライパンを乗せて卵を割り入れ上にベーコンを乗せて焼く。火だけは魔石が必要。さすがに木から着火のやり方は分からないもの。今のところ生活に心配なのは魔石の消費かしら。

 パチパチと油の弾ける音が聞こえたので水を入れ蓋をする。あ、塩コショウ…後でいっか


「んー、オーク達には物足りないかしら?」


 フライ返しを持ちながら首を傾け思案する。ベーコンの焼ける匂いに火を止め蓋を開く。パンを薄くスライスしマヨネーズ(自作した)を塗り野菜の間にベーコン付き目玉焼きを入れて塩コショウ。完成っと


「姉ちゃーん! 何だかすごくいい匂いがするよ~」

「丁度良かったわ。お昼にするから畑の二人呼んできてくれる?」


「分かったぁー!」


 お昼、の言葉にパァァツと目を輝かせたロクはダッシュで外に行き叫んでる

 四人分のサンドイッチを作ったところで、あ…鳥の存在に気づく。なかったらきっと叫んで怒るんだろうなと想像し、残った食材パンの耳…。これでいっか!

 フライパンの汚れを落として少し多めのバターを入れて熱する。バターが解けてきたところにパンの耳を投入し両面じっくり焼き上げる。最後に皿に盛ったら上から砂糖をかけてよしおっけ!


「いやあ、お昼なんて申し訳ありません! あ、石はほぼほぼ片付きましたので!」

「お。おお嬢様~」

「チップお疲れ様。どう仲良くできた?」


「あー、これなに!? 野菜に美味しい匂いがする!」


 どやどやと入ってくる皆に手洗いを促してから席につく。ロクは嬉しそうにサンドイッチを見ると大きな口でカプリとかじりついた。


「美味しい! この卵とろっとしててソースがこってり酸っぱい? 美味しー!」

「んむ…、たしかにこれは。いつも我々が食べているものとは全く違うが旨いな」

「ん、…え、これお嬢様が作ったのですか? いつの間に覚えたんです?」

「キエッ!キエー!」


 言葉矢次に話しかけ自分のが食べられない。苦笑しながら一人ずつ答えていく


「これはサンドイッチよ。まぁ人間の軽食ってとこかしら。チップ、私だって今後の為に色々と出来るように考えてたのよ? そして鳥はこっち」


 煩い鳥に揚げたてのパンの耳スナックを渡す。器用に嘴で掬って飲み込む。バターと砂糖の甘い香りにロクがジーと様子を見てた。

 子供だからこういうのも好きだったりするのかしら


「そのパン耳スナックまだあるから持ってく?」

「ほんと! わーいっ絶対だよ、ってて、いいじゃん1切れくらいーケチ」


 喜びながらも鳥の皿から一つ取ろうとして突かれてる。微笑ましい空気にフフと笑みが零れた。




「お嬢様、食後の紅茶を入れますね」


 昼食を終わりオークと鳥達は帰っていった。ロクは袋たくさんのパン耳を持って。


「ありがとう頂くとするわ」


 チップの入れてくれた紅茶を飲みながらこれからのことを考える。初めの目標だったかき氷屋さん。瓦礫と化した周辺に誰も住んでいない為長期戦でいくしかない。そうすると日常生活していく為の基盤を立てる必要がある。3年間で貯めた資産である程度のものは購入しマジックバッグに入っているとはいえ、いつかは尽きてしまうはず。まずは自給自足が出来るようにしなくては

 今夜あたりにチップと相談しよう。取り合えず今は


「紅茶を片付けたら午後の仕事として庭で畝を作ってくれる?」


 遠い目をしたチップが肩を落として歩いていった




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