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君を海へ

作者: 蓮薔薇 揺麗

驚く程に軽い君を海に沈めた


人間は案外簡単に沈んだ


底へ、底へ、堕ちてゆく


最後まで君と目は合わなかった


最後まで君は眠っていた


深く、深く、信じ切っている


寝息はもう聞こえなかった


泡一つ遺さず君は沈んだ


ぽつり、ぽつり、泣く声がする


君はいつまでも浮かんでこなかった


どんなに待っても後戻りさせなかった


ずっと、ずっと、立ち尽くしている


居ない方が良いことは分かっていた


居ても無駄だと気付いていた


細く、細く、白い息を吐く



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