考えるだけ無意味な事
そして真奈美は遊園地で元夫に買ってもらった三毛猫のマスコットの人形型のリュックサックを早速背負ってパーキングエリアへと楽しそうに駆けていく。
その姿からも既に三毛猫マスコットのリュックサックが真奈美にとってお気に入りに登録されている事が窺える。
因みにそのリュックサックの中には今日出来た宝物である遊園地のパンフレットが入っているので真奈美にとっては今現在宝物二つを持っている事になる為先程まで眠っていたのが嘘のようのテンションが高い。
因みに私はというと高城へ生菓子のお土産、パート先へ再利用も出来る様に容器は缶の物でかつ長期保存出来る様に焼き菓子のお土産、小太りマダムへ遊園地が一番押していたマスコット型の小さなカステラにチョコが中に入っている物をお土産として購入していたりする。
少し痛い出費ではあるものの私の気持ちはその分晴れやかな気分になる。
それと共にこういう小さな積み重ねを繰り返して作られていく環境をたった一回で失うこととなる不倫という行為がいかに恐ろしいものであるか、こういう何気ない一コマからでも感じとる事が出来る。
その事にすら気付けない程に周りが見えなくなるのだという事も。
あれは、一種の病気だ。
私は、まともでは無い。
そう言われている様に感じたし『そりゃそうだ。言い訳のしようも無いでは無いか。私はまともでは無い』とも思った。
だからこそ、常に気を付けなければならないのだ。
敵は己だけではないのだ。
己だけでは出来ないのだから。
そして私は再度自分自身を引き締め、パンパンと顔を自分で叩きカツを入れた後、真奈美と元夫の後を小走りで追う。
そして、少し大きなパーキングエリアだけあって子連れやカップル達でなかなか混雑しており。皆お土産の最終ドラフト会議を始めたり、通り過ぎた県と今現在いる県のご当地物をフードコートで食べたりしている姿が見える。
そして私達もその、その他王勢に混ざり食券機で食べれなかった遊園地がある県のご当地ラーメンと、お子様プレートを購入して店員さんへ購入した食券を渡す。
そしてお子様ランチとお子様プレートの違いは何だろう?お子様ランチの方がプレートを使用しなければならないというルールに縛られない分無限の可能性がそこには広がるのではないか?しかしながら裾野を広げ過ぎても纏める事が出来なければ宝の持ち腐れであろう、等と考えるだけ無意味な事を考えながら店員さんからもらった電子ベルのアラームが鳴るのを待つ。




