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バツイチ子持ちとカレーライス  作者: Crosis


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鳴り止まないスマートフォン





あの石投げ事件から二週間が経った。


あれでめでたしめでたしと終れば良かったのだが現実はそう甘くはないと毎日毎日鳴り止まないスマートフォンが教えてくれる。


私のスマートフォンが鳴り止まない主な原因はあの小太りマダムであり、その内容は主に三つ。


一つは私と遊びに誘う連絡。

一つは真奈美の趣味嗜好について。

一つは真奈美の気になる異性について。


まーくんの初恋相手である真奈美の事を知りたいと言うのは分からなくも無いのだが何故か私も気に入られており小太りマダム曰く『わたくしの目を覚まさせてくれた恩人』らしい。


初めは将を射んとする者はまず馬を射よ、という事から真奈美だけではなく私もロックオンされてしまったと思っていたのだがこれに関してはただ純粋に好意を寄せられているだけだと知りどっと疲れが押し寄せてくる。


それは即ちまーくんの恋事情の変化によって終わる関係であるという私の浅はかな考えが打ち砕かれた瞬間でもあった。


しかしながら小太りマダム本人は悪い人ではなく寧ろかなり良い人である為無下にもできないという状況が続いている。


一応マダムには私の現状をしっかりと伝えているのだが庶民だ貧乏人だ片親だのと見下す事も無く、むしろ庶民の暮らしぶりに興味津々で根掘り葉掘り目を輝かせて聞いてくる始末である。


そしてその事は一応小太りマダムも他人に聞くのは失礼な行為であると認識は持っている為その純粋な好奇心が私に一点集中している為今の鳴り止まないスマートフォン現象が起きている要因でもある。


その事からも小太りマダムは自分の子供可愛さ故に周りが見えなくなってしまっていただけなのだろう。


「こないだわたくしが初めて手作りしたこの唐揚げをね、まーくんに食べさせてやったらとっても喜んでくれましたのよっ!もうそうれが嬉しくて嬉しくて今は毎日唐揚げを作っておりますのっ!!」


因みにスマートフォンが鳴り止む事があるのだがそれは小太りマダムが眠っている時と私と一緒に働いている時間だけである。


あの時私は実はスーパーの総菜を作るパートの仕事をしているからお金持ちではないと言ってしまった事をこれ程後悔するとは思いもよらなかった。


しかしながら鳥公爵でも趣味でアルバイトをしていたというお金持ちの箱入り娘であるバイオリニストがいるとテレビで放映していたのを見た事があるのだがまさか自分の身に似たような事が降りかかるとは誰が想像できようか。

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