一話 改心しよう!
三話だけ載せます!
「ゆうと〜おぶって運んでぇ〜」
「はいはい、分かりましたよ」
幼なじみの白玉あんこは、座っていた俺の背中にのしかかってくる。
む…あんこの胸が当たる。身長は小さめのあんこだが、小学五年生から成長を始め、高校二年生の現在…立派な双丘をなしている。
あんこはこれを鬱陶しく思っているらしく、毎回嘆いている。
普通の女子から見たら贅沢な悩みだろう。
まあ、胸を押し付けられるのは慣れたものだ。慣れたくはなかったけど…
俺はあんこを背中に背負うと立ち上がる。
今日は二人で遊園地に遊びに行くのだ。遊園地に行くのにそんなにだらけてていけるのかと思うが、どうやらそれは別らしい。よく分からない。
俺らは付き合っている。生まれて気がつく頃にはずっと隣にいた。小学二年生の時にあんこから告白してきた。俺もずっと好きだったので、即オーケーした。それから9年間ずっと付き合ってる。その姿は周りから見るといつでもラブラブなようで、すでに高校でも公式カップルとして周りから温かい目で見られる。
だが最近、俺はある悩みを抱えている。
あんこの怠けようのことだ。
俺は今一人暮らしをしていて、あんこも毎日のように入り浸る。だから、あんこのための食器や洋服が置いてあったりする。
俺が世話好きなのもいけないが、最近あんこのだらけようが顕著だ。そこも可愛かったりするんだが、このままだと社会に出た時に何もできない大人になってしまう。
「ゆうとー降ろしてー」
「はいはい」
俺は腰を下ろしあんこを降ろしてやる。
するとあんこは靴を履く。俺もそれに続いて靴を履く。
「手ーつなごぉー?」
あんこが手を差し出してくる。俺はその手を取りぎゅっと握ってやると、あんこがにへらと顔を綻らせる。
可愛い………はっ…俺は首を振って雑念を払う。
ダメだダメだ。俺はこれからあんこが自立出来るように指導していかなくちゃならないのだ。あんこには厳しく…
いつの間にか、手を繋いでいたあんこが腕にくっついていた。まぁ可愛いので良しとする。
「それじゃあ、しゅぱーつ!」
あんこが元気な声を上げた。
俺は自分が思っている以上にあんこの可愛さに弱いようだ…
あんこの声に合わせて俺は玄関の扉を開いた。