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妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三章 愛しき者への鎮魂歌
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プロローグ・愛しき者への鎮魂歌

 むかしむかしのおはなしだ

 二人の男がおったとさ


 一人は真面目な働き者

 一人は博打が好きな不真面目者


 二人はある時連れだって

 出稼ぎしにいったとさ


 働き者は働いて、こつこつこつこつ溜めたとさ

 不真面目者は博打に溺れ、一文無しになったとさ


 真面目な男は同情し、同郷のよしみでお金をあげた

 村へ帰ろう? 不真面目男を諭して言った

 そう……だな 不真面目男は同意した

 二人は連れ立ち村へと戻る


 ほんとうならばそれでよかった

 友情があれば不幸はなかった

 けれど不真面目者は考えた

 考えて……しまった


 峠に掛かった頃のこと

 真面目男を騙して襲い

 金を奪って殺してしまった


 だから、そいつは生まれてしまった

 殺した者を憎悪する災厄の妖


 だから彼は歌うのだ。

 怨嗟を込めて、自分を殺した奴だけを……

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