表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三節 呉葉(鬼女・紅葉)
70/182

犯人探し

 昼休憩の間に三年教室へと足を運ぶ。

 メンバーはヒルコ、秋香、根唯、来世である。

 他のメンバーは来なかった。というか、他にもいろいろ調べることあるので葛之葉中心にしてお願いしておいたのだ。

 ちなみに雄也は放置である。アイツに捜査は向いてない。


 しかしなんでまた殺人なんてやったんだ?

 この街でそんなことを行うメリットは少ないだろうに。

 あるいは、殺さざるを得ない状況だったのだろうか?


「おいーす。昨日ぶり」


 私達が顔を見せると、小星唯が手を上げて声を掛けてくる。

 体育会系なのか朗らかなだけなのか、楽しげなご様子である。

 これから殺人事件の容疑者として尋問するんだけど、これが演技だったらサイコパスである。


「何、まだ変態見付かってないの?」


「あ、いえ、そっちはもう見付かったんですけどね。今度は別件です」


「単刀直入にお聞きしますわ。昨日の放課後から夕方に掛けて、どこで何をしていましたか?」


 ヒルコよりも速く秋香が尋ねる。


「え? 昨日? えーっと、ああ、放課後はトラック走ってたかな。あと桃ちゃんと川ちゃんとで喫茶店に行って話してた後は帰った、かな」


「桃ちゃんと川ちゃん?」


「桃田太郎と川北奉英でしょ。小星さんと三太郎ってことで仲いいのよあの二人。どっちが小星さん落とせるかで競ったりしてるけど本気じゃないみたいで、なんか凄く仲いいわよ」


 と、閭貍子が横合いから話に加わる。


「えーっと、じゃあそちらのお二人は?」


「え? 私?」


 ヒルコの言葉に自分に飛んで来たと驚く閭貍子。


「何してたっけ? 直ぐ家に帰って勉強だったかな。一応受験生だし」


「本土の高校行くために勉強しとかないとねー。私も家に帰って勉強してたよ。で、なんでまたそんなアリバイ聞くみたいなことを?」


 恵子先輩が疑うように聞いて来る。

 何かを察したようで、またなんか変なこと起こったんでしょ。みたいな顔である。


「えーっと詳しくはまだ伝えられないんですけど、えっと、ワタシのクラスの篠原哲司に付いて調べてまして、知り合いとか親しい人知りませんか?」


「篠原哲司? 誰だっけ?」


「唯ちゃん二年下の子だよ確か。あんまり接点なかったから名前も覚えてないみたいだけど」


「ああ、そう言えばそんな男子いたね。小星さんは三太郎でつるんでるのに忙しくって他の男子気にしてなかったっしょ。えーっと、彼の知り合い、ねぇ、誰か居たっけ?」


「私も分かんないかな。あんまり話したことも無かったし」


 今から二年前のことを思い出しながらうーんと唸る。

 どうやら今回この三人は関係ないっぽい。さすがにプロも顔負けの演技されてたらもはやどうにもならないが、一番怪しい小星先輩は小細工出来るような器用さは無いだろう。頭の中まで筋肉で出来てそうだし。


 桃田と川北と仲が良いということだし、篠原との接点は本当になかったんだろう。

 私の当ては外れたようだ。

 昼休憩が終わりそうだったので、二年教室に放課後今日もちょっと残っててと告げるだけ告げておき、私達は教室に戻った。


 授業を受けてこれからの行動を考える。

 折角なので三部隊に分けよう。皆聞き終えるまで待つのも面倒だろうし。

 まず葛之葉部隊に小学校低学年の15人のほうを担当して貰い、私達は中学二年の方を聞きに行く。

 ついでに秋香たちに先生組みを回って貰うことにした。


 放課後、ヒルコと根唯、ついでに来世を伴って二年教室を訪れる。

 ちゃんと全員残ってくれているようだ。

 ではではヒルコよろしく。


「えっと、すいません、昨日の放課後から夕方どこで何をしていたか教えてほしいんです」


 ヒルコが教壇に立って尋ねる。

 そんなこと聞かれるとは思ってなかったんだろう。多分三年でも勘違いしていたように、まだ亜梨亜の件が片付いてないとでも思ったのだろうね、香月先輩が手を上げる。


「えっと、もしかして、また出たの変態? 亜梨亜さんだっけ、の家だけじゃなく?」


「あ、いえ、亜梨亜についてはもう解決したんです。今回は別件で、もっと重大なのでお手数ですけどご協力お願いします」


 ヒルコが喋ると私がなんか凄く優等生っぽいな。

 いや、私だって猫被ればこの位出来る。多分だけど。

 今は猫被る必要がないからこんな丁寧な言葉遣いはしなけどね。


「じゃあ、すいませんが宇都宮先輩からお願いします」


「えー、うーん、昨日の放課後かぁ、彩音ちゃんと一緒に喫茶店でお茶してたかな」


「あ、そうだ。私達アリバイあるよ。少し遅れて三太郎来てたもの」


 二年でも三太郎有名なのか。金太郎、浦島太郎、桃太郎。よく一緒にしたがるよね皆、なんでだろ、やっぱり同じ日本の童話に出てくる太郎たちだからか? でもそれなら寝太郎とかもはいりそうなんだけどなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ