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妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三節 呉葉(鬼女・紅葉)
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犯人捜索探偵団結成

「あらいやだ、死んでる」


「高梨先輩、古いですわ」


「え、嘘!? 私の中じゃ結構マイブームなんだけど」


 そっか、古いか。まぁ去年やってたドラマの再放送だしなぁ、何年前のだっけ?


「多分それ、百年くらい前のドラマですわよ」


「ひゃく……」


 さすがにそんな昔のドラマを再放送とかできないだろ。

 は、はは。だよね、来世?

 私は思わず来世を見る。来世は何も言えずにそっと目を逸らした。


「そっか、私古いんだ……」


「い、いやいや、有伽が古い訳ないじゃないか、な、なぁー皆」


 慌てて来世がフォローに入る。

 雄也と根唯がそ、そうだな。と同意する。

 珍しく雄也もフォローに回ったようだ。

 残念ながら秋香はフォローしてくれなかったが。


 というか、ここは一番に土筆がフォローしてくれるはずじゃないの?

 そんな土筆は遺体に誰よりも早く近寄り、熱心に調べ始めていた。

 私が馬鹿やってる間に土筆の方がしっかりしてんじゃない。

 ああもう、こういうの私得意じゃないし、ヒルコに任せた方が良いかもしれない。


「ヒルコ、土筆を手伝って。交代」


 小声でヒルコに告げる。

 いいの? と困惑気味の言葉が返って来たけど、私はそれに頷いておく。

 良いんだ。私は今回役に立たない、というかなんかもう疲れた。

 身体は自由にさせるし、思考は止めないけど、よっぽどのことがない限りは口開かないからヒルコよろしく。


「じゃあ、ワタシも調べてみましょうか」


「あら、有伽様……ふふ、どうぞどうぞ」


 ヒルコに変わったの、直ぐ気付かれたな。土筆がヒルコを優先するように遺体から離れる。

 遅れ、秋香も遺体を調べに近づいて来た。

 どうでもいいけどお前らなんで死体を前にして普通に動けるんだよ。

 普通は吐き散らしたり、ひぃっとか悲鳴上げて逃げるんじゃないのか?


「どう見てもここが死亡原因ですわね」


「そうだね。僕も首折られたのが死因と見てるよ」


 篠原哲司。私はあんまり接点はないのだが、雄也曰く結構一匹オオカミで動くことが多かったらしい。

 田舎のちょっと不良入った硬派な感じらしい。

 なので群れるのは好きじゃなくて、出来るだけ一人行動がしたいらしいのだ。


 でもその結果が殺害とはねぇ。

 これはラボによる警告か? それにしてはちょっと雑だ。

 となると、この平和にしか思えない島で殺人が起こったってことになる訳だが?


「誰かに恨みでも買っとったべかな?」


「篠原がか? こいつはそんなことする感じじゃないからなぁ。出来るだけ誰かと話し合いにならないように生きてるし。基本野球とかサッカーも断ってるしさ。昼休憩とか飯食ったらさっさと居なくなってるし、放課後も一番最初に帰ってるしで、協調性がないんだよ」


 篠原も雄也には言われたくない言葉だよねそれ。

 お前の協調性も大問題だと思うぞ。


「首折られるってくらいだし相当強い恨みでも買ったかな?」


「でも恨まれない人だったんでしょ?」


「高梨先輩、確かに恨まれない人だったかも知りませんが、私達が知らないだけで誰かから恨まれていた可能性は充分にありますわよ」


 ヒルコの質問で呆れた顔をこちらに向ける秋香。

 なんか私が馬鹿にされたみたいでイラッと来るな。こいつも亜梨亜みたいにしてくれようか?

 何かゾクッと来たのだろう、秋香がびくんっと仰け反って周囲を慌てて見始めた。


「他に違和感もありませんし、普通の人間なら首を絞めるところを首を折るという異常な腕力。余程力の強い男性か、あるいは妖使いでしょう」


 秋香さんや、それは決めつけじゃないかね? 私でもやろうと思えば首折るくらい出来るよ。

 背後からそーっと近づいてこう、グキッと。

 コツさえ覚えれば簡単に……


「首周辺に皮膚片もないし、爪で相手を引っ掻いた様子もない。気付かれない状態で首を一瞬で折らないとこうはならないだろうね」


 全く面倒なことこの上ないな。でもこれが犯罪となると本土から鑑識班呼ばれたりで結局私の身バレに繋がるんだよね。どうすんだコレ?


「そうだなぁ、とりあえず学校の敷地内だし、犯人はまた校内関係者と見た方が良いのかな? となると学校が隠蔽に乗り出す可能性もあるし、警察には知らされない可能性もあるか?」


「あら、でしたら私達で解決すればいいのですわ。先輩、今度もしっかり推理しますわよ!」


 え、今度もって、前回なんか推理したっけ秋香?


「それはいいけど、この死体どうする?」


「さすがに置いたままはやばいっぺや」


「ああ、それなら問題ないよ。僕の知り合いが撤去してくれるから。一応いろいろ調べるけど、いいよね有伽?」


「そ、そうね、ワタシに危害が及ばないのなら、お願い」


「おっけー」


 少し怪訝な顔をした来世。しかし私とヒルコが入れ替わってるとは気付かなかったようで、違和感を気のせいだと、気付かなかったことにしたらしい。声似せてるのに何が違ったんだろう?

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