表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二節 塵塚怪王
61/182

推理開始

 堂本小夜音に別れを告げて穂高弘輝の元へ行く。

 穂高は良くも悪くも普通の人だった。

 髪を掻きながらまいったなぁと溜息漏らして名前と一般人であることを告げる。


「なぁ、もう野球しに行っていいかー?」


「あんたは(役に立ちそうにないから)さっさと野球行っといで」


「あ、いいのか? んじゃ行ってくる」


 お馬鹿が真意に気付くことなく駆け去っていく。

 野球が好きなんだねぇ雄也は。

 はぁ、思わずため息出るわ。


「有伽さん、帰って来たんはええけども、これからどうすべ?」


「んー、とりあえず今見た感じでは学園内に犯人が居るようには思えなかったけど、怪しい人物は一人見付かったでしょ」


「え? 先輩もう見つけたんですの!? さすがですわね」


「あのね秋香さん、私が見付けたっていうかさっきあんたん所の男子が言ってたでしょ。このクラスの中に亜梨亜に怪しい視線送ってた奴が居たって」


「私に変な視線……?」


 自覚は無いらしい。

 さて、その人物は男性な訳だけど、誰か分かる人いるかな?

 次に調べることは決まったので皆に聞いてみる。


「んー、流石に分からんな」


「一年前なぁー。高麗、お前確か亜梨亜ちゃんに声掛けられてなかったか?」


「んー? ああ、あの時か。アレって確か常思慧さんが俺に手紙渡して来てさ、告白かなって思ったら屋良さんからの手紙だったんだよ、ちょっと期待した俺の純情を返せって思ったね」


「え? えーっと、ごめんな、さい?」


「亜梨亜が謝る必要ないわよ? こいつも自分がこの学校ならモテると勘違いしてるだけだから気にせずに」


「なっ!?」


 驚いたのは高麗。ちょっと天狗になってたそうで、いや俺勘違いしてるわけじゃないしっと抗議して来る。

 だから、私は直ぐ近くで無言のまま私をスト―キングしていた来世の腕を持って引き寄せる。


「おお!? 有伽積極的!?」


「こいつと自分を比べて、自分の方がカッコイイと思えるのなら私は謝る」


「なっ。ぐ、くそぉっ、俺は井の中の蛙だったのか!?」


 そこ認めちゃうんだ!?

 まぁ、来世の顔と比べられたら、ねぇ。ちょっと酷だったか。

 私も少し反省したのだが、来世が調子にのりだしたので放置することにして残りの面子に聞いて行く。


「いやー、俺は知らんな」


「他の男には興味無いんだ。すまん」


「ふむ。そういうのは他を当たってくれ僕に言われても困る」


 我がクラスの男共は基本他人をよく見てないらしい。

 訂正、我がクラスの男共は基本他者の男子をよく見ていないらしい。

 試しに射魏楠葉について聞いてみたら全員が詳細に覚えていらっしゃった。

 鎹雫についても同じく詳細だった。

 可愛い女の子はしっかりと覚えているようだ。


 というわけで、ヒルコと秋香が女性陣に聞いて行く。亜梨亜について怪しい視線を送っていた人物は居なかったか。

 でも、大していい情報は得られなかった。

 結局これについて話が出たのは鬼頭昴の証言だけだ。


「わたくし、やっぱりあいつが犯人だと思いますわ」


 腕組みしてぷんすか怒っている秋香。彼女は鬼頭昴を怪しんでいるようだ。

 多分違うと思うんだけどなぁ。


「んー。でもあの人そこまで亜梨亜ちゃんのこと好きそうではなかったかなぁ。というか、犯人だったら出来るだけ目を合わそうとしなかったりしません?」


 ヒルコは否定派か。


「そうだね。男の心情からすると今の所怪しいホシはいないかなぁ」


 そして聞いてないのに来世まで会話に参加する。


「んだなぁ。まだ聞いとらん三人もおるし、外部班かもしれんでや。どうすっべ?」


「あ。ちょっと待って。ノウマたちに頼んでた結果出たっぽい」


 来世が電話を始めた。どうでもいいけどこいつ中学生って体格じゃないのに普通にこの教室に居ることに誰も違和感を唱えないのなんでだろ。

 葛之葉、そこんところどうなの?


「なんじゃ?」


 あ、ダメだこの駄狐。


「うーん。とりあえず報告するけど、警察の鑑識動かして常思慧さんとこの風呂場調べたけど指紋一切出なかったって」


「そりゃそうでしょ、風呂綺麗にしたんでしょ?」


「はい、それはもう念入りに、窓の桟とかまで徹底してやりました。痕跡は残してないです」


 ダメじゃん。

 いや、生理的嫌悪を言われたらそれまでなんだけどさ。


「だと思ったんで尾取枝にとある場所の鑑定も頼んだ。ブツクサ言いながらもいい仕事をしてくれたよ。常思慧さんの家の壁に指紋を発見してくれた。今鑑定しているけど、多分出ない」


「出ない?」


「ああ、犯罪者ではない、まだ捕まっていない一般人の場合は指紋がデータベースにない可能性があるからね。でも、まぁ、指紋と指紋の感覚などから体型が大体分かるだろうし、それなりに背格好は絞り込める筈だ」


「そう、指紋の付き方で男性か女性かくらいは分からない?」


「さすがにそれはわからないかな」


 やっぱ無理か。

 となると、やっぱり居ない三人から調べた方がいいかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ