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妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二節 塵塚怪王
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聞き込み開始

 放課後、授業が終わるのを待って、私達は集合した。

 事前に行動はヒルコに任せ、私は思案することにしておいた。

 ヒルコと仲間たちで聞き込みをして貰い、私はその時の容疑者たちの動きを観察させて貰うつもりである。


 教室にやってきた小学校高学年組。

 なんか見覚えのある存在がまた増えている。

 えーっと、確か三枝秋香とか言ったか?


 軽音楽部の部員の一人で、水虎の妖使いだった筈だ。

 刈華曰く、話を聞いたら推理なら任せなさいな! と楽しげに参加して来たのだそうだ。

 推理だけというのならば問題は無いか、と私達は許可。

 あまり人数を多くしても迷惑になるので私と根唯、亜梨亜、秋香の四人で行くことになった。


 まずは一番数の少ない三年から。

 なんとたった三人しかいないのだ。これはすぐに話が聞けるだろう。

 と、思ったのだが、ここに容疑者になりそうな存在は居なかった。

 何しろ、全員女性だし……


「へー、昼に一応聞いてたけどそんな感じなんだ」


 と、納得する三人の先輩。

 一人はスポーティーな体格でおかっぱ頭にぴょこんと髪留めで止めた髪束が右に飛び出ている。横ポニーテールという奴なのだが、ポニーと呼べるほどの毛の量ではない。


「私は小星唯。妖能力は【金太郎】だよ」


 どうやら力持ちらしく、運動会では凄い記録を叩きだしているのだとか。

 運動会までは私居ないだろうし彼女の実力を知ることは一生ないだろう。

 とにかく、彼女では犯行は無理なので会話を適当に終えるヒルコ。

 先輩もうちょっと話したそうにしてるぞ? 可哀想に。


「えーっと、六鹿閭貍子むつがろりこよ。妖能力はないんだけど、これでいいの?」


「壱岐恵子です。私も能力はないかな」


 小星先輩以外は普通の人間か。

 私達はお礼を告げて三年教室を後にする。

 直ぐ隣が二年の教室だったのでこちらにも向かっておいた。


 二年生は10人。

 話を聞いたところ、名前と妖能力が判明。

 まずは一般人。宇都宮纒うつのみやまとい坂東勇作ばんどうゆうさく川端茂辺地かわばたもへじ小城靖也おぎせいやの四人。


 能力者は残りの六人。

 まずは男子。 

 所沢生三ところざわいくみ、能力は【ミシゲー】。鋒鋩傑ほうぼうすぐる、能力は【大坊主】。桃井修一ももいしゅういち、能力は【すねこすり】。


 女子は皆木暮阿みなぎくれあ、能力は【呉葉】。紅月彩音こうづきあやね、能力は【アカナー】。田畑芹たばたせり、能力は【朧車】。

 ざっと聞いた感じだと気になる妖能力は無い。

 ミシゲーはしゃもじの九十九神らしいし、呉葉は又の名を鬼女紅葉という能力らしい。アカナーは垢嘗に似てる名前だけど全く違うらしい。

 アカナーは心優しき妖怪。月で杵突く妖の一種なのだとか。


 彼らにも怪しい妖能力は居なかったし、皆の聞いてる場所で告げたことからやましいことはやってなさそうだ。

 次に向かったのは小学校高学年組。

 人数は8人。亜梨亜と秋香に聞いた感じだと、男性という括りで怪しい人物は一人だけらしい。


 まずは知り合いから。舞之木刈華まいのぎかりかは私にとっても懐かしい存在だ。といってもここ半年以内の知り合いではあるのだが。この半年が濃密過ぎて刈華と出会ったのは遥か昔のことのように思う。妖能力は【雪女】。出雲美果の友人で私の一個した、元高港市鱶縄付属中学の一年生だ。出雲美果が死んだということが信じられず、独自の仲間と共に調べようとしていたのだ。

 その過程で樹翠小雪を怪我させてしまった。


 彼女への償いという訳ではないだろうが、刈華は小雪を連れてここに療養に来ていたのだ。

 ただ、小雪自身はそこまで怪我していた訳ではないようで、私に出会った瞬間、前と同じように飛び付いて来た訳だが……

 その樹翠小雪きみどりこゆきは【氷柱女】の妖使い。私としては忘れたい過去だが、セカンドキスの相手である。


 それから被害者の常思慧亜梨亜とこしえありあ彼女も妖使いらしい。恥ずかしいからってことで能力は教えてくれなかったけど。

 まぁ、今回必要な情報ではないのでヒルコは深く聞こうとしなかった。私も黙ってたし、本当にどうでもいい情報だしね。

 次に三枝秋香さえぐさときかは【水虎】の妖使い。軽音楽部所属のですわ口調娘である。


 もう一人知り合いがいた。

 同じく軽音楽部所属、福島賽音ふくしまさいね。【琵琶牧々】の妖能力らしい。

 あとは三人。なのだが、実質このクラスの男性は一人だけなので他の二人に聞く必要はないんじゃないかと思う。まぁ聞くけども。


 えーっと、あ、あそこにいるのがここの男か。

 なんというか、自分が一番怪しまれてると分かっているようで困った顔でやってきた私達を見る。

 開口一番、僕じゃないっす。は普通に怪しいからな。

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