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妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第一節 鉦五郎
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妖だらけの肝試し2

「縷々乃、あんたも脅かし役?」


「うむ。我がちゃんちゃんこが赤く染まるぜ」


 眠たげな眼でにちゃりと笑みを浮かべる縷々乃。

 なんか暗い感じになっているのは自分が脅かす側で花子役に入ってるからか?


「ちなみに男子トイレには紫乃がいるからよろしく」


 それ、言っちゃダメなやつじゃね?


「じゃ、いってらー」


 怯える来世と共に隣の男子トイレに向かう。

 どうも怪異と遭遇しないと次に進めなくしているようだ。

 トイレの後は二階への階段使って上がって行くんだろう。


 男子トイレに向かう。

 ここはどの個室か指令がないんだけど?

 というか私の後ろで震えてんじゃないよ、私はいつの間にケンタウロスになったんだ来世?

 というか私のお尻に頭くっつけようとしてないか? ヒルコが邪魔してるから問題は無いんだけどさ。絵面が酷いよ?


「ちょっと、流石に肝っ玉小さすぎない?」


「ムリムリムリ。俺怖いの苦手なんだっ」


「ならなんで一緒に来た?」


「だって有伽にいいとこ見せたかったんだもん」


 男がもんとかいうな。

 ほれ、とりあえず待っとけ。個室一つづつ確認してくから。


「……ん……い」


「ん? なんか言った?」


「い、言ってない、俺じゃない。俺じゃなくて後ろから……」


 そう言って来世は後ろを見た。

 個室を確認に向かった私達が丁度背にした小便器の群れ。そこに、黒い顔のようなモノが出現していた。


「闇子さん闇子さんおいでなさい。闇子さん闇子さんおいでなさい……」


「ぎゃああああああああああああああああああああああっ!?」


 小便器一つにあった黒い顔が、言葉がループするごとに隣の小便器、さらに隣、と増え始める。


「お、おたすけぇーっ!!」


「あ、ちょっと!?」


 そして一人逃げだす来世。

 おい監視役。自分一人で逃げるとか、男としてどうなんだ?


「ムリムリムリムリっ」


「あー。やり過ぎた?」


 まだ調べてなかった三つ目の個室から頭を掻きながら小峠紫乃が出てくる。

 これまた目が隠れているというか、目元が髪で暗くなっているので全体的にネクラに見える紫乃。

 御免なさいね? と謝って来るが、私は恐怖を味わっていないので気にしなくてもいいと思う。


「でも、あの男の人脅かしがいあるね。ちょっと楽しくなってきた」


「いい性格してるわ」


 私は呆れながら来世の後を追うことにした。紫乃に別れを告げて男子トイレを立ち去る。


「ぎゃあああああああああああああああああああ!!?」


 あー、次の妖怪に出会っちゃったか。


「あはは、いい声。ホント脅かしがいあるよあの人。彼氏さん?」


「だったらどんなにいいだろねー。ストーカーさん、かな」


「え? それどんな関係?」


「さぁ、どんななんだろ?」


 私も教えてほしいくらいだ。

 私を殺しに来た暗殺班の一人でありながら俺、有伽が好きなんで。とか真顔で告白して来る変人だ。

 一体あいつはどういう枠組みで接したらいいんだろうか?


 階段を上がって二階に向かおうとしたのだが、衝立が無かったのがさらに上の階だった。

 仕方ないので三階へと上がる。

 あ、違う、さらに上だから屋上か。


 屋上に出ると、うずくまって震えている来世が一人。

 そして空を漂う金貨というか、小判が一つ。

 ふよふよ漂っているけど、もしかしてこれに恐れを成しているのか来世?


「これ、【金魂】?」


「多分そうだと思うわヒルコ。誰かまだ知らないクラスの妖使いがいるみたいね」


「なるほど……でも、恐くないんだけど」


「来世の肝がちっさいだけよ」


 さぁ行こう。

 来世を放置することにして私は階段を再び降りて行く。

 今度は二階への階段前に衝立が作られ、三階の教室側に行くようになっている。

 衝立で廊下が仕切られ教室に入らないといけない状態になっていたので、まずは一番近くの教室へ。


「うわぁ……」


 この部屋は多分高足柚葉の受け持ちだ。

 教室中に無数の面が散らばっているのだから【面霊気】の妖使いである彼女の仕業だろう。

 床も壁もお面だらけ、流石に違う意味でぞっとする。


 翁面やおたふく面、天狗面にデスマスク。

 しかもその一部が宙に浮いてるとなれば不気味も不気味である。

 これは酷い。


「凄い、動き出した」


「ん、見たから次行こう」


「えぇ!? 反応薄いっ!?」


 いちいち驚いていられるか面倒臭い。

 そもそも全部妖能力だとわかっているのに怯える意味が分からない。

 自分にとって脅威かどうか。それだけ分かれば問題ないのだ。


 そもそも幽霊が出て来たとしても今は怖がるよりも先にどうやって倒すかを考えてしまって純粋に肝試しを楽しめないのだ。

 翼のテケテケは半霊体だったし、出雲美果に関しては完全な霊体。

 あれの攻略どうするか、と考えるのに似てる。

 そもそもあいつは幽霊と会話できるはず。つまり幽霊は必ず存在している訳だ。


 幽霊は謎の存在だから怖いのだ。いると分かって対策を練れば、撃退できると分かれば、恐れる理由がない。

 だから私、この肝試し全く意味がないんだよね、ヒルコが怖がるくらいか。がんばれ。

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