表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖少女Ⅱ  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四節 謳う骸骨
114/182

不可解な状況

 変だ。

 何が変だと言われると、非日常が無い。と言えばいいだろうか?

 あの学園を使った戦闘から三日。

 今の所警戒して日常生活を送っているのだが、全く異変が無いのである。


 意味が分からないって? だってさ、三味長老逃げたんだよ。

 普通ラボが動くでしょ。

 一班が私の暗殺乗り出すでしょ。

 でも、それが無いのだ。


 ここ三日、ずっと気を張ってるんだけどどうにも不穏な気配が無い。

 傍にはいつものように来世と楠葉がいるし、亜梨亜と小雪はストーカーだし、一度学校敷地内から外に出てみたけどそれでも異変は無い。

 一班が動いていないのなら三味長老が襲って来そうなものなのだが、土筆でも居場所が掴めなくなっているのだ。


 来世も一班はまだ動く気配無いよと言って来るし、土筆にお願いして来世をスト―キングしたところ、うわんと情報交換してるのに出くわしたけど、うわんの方でも一班動いてなくておかしいと小首を傾げている状態だったらしい。

 つまり、今までのが嘘だったかのように日常が戻って来ているのである。


 意味が分からない。

 でもとりあえずは警戒しながら日常を送ることにしている。

 皆してファミレスで時間潰してみたり、学校に居残って軽音部でドラム叩いたり、帰り道、というかファミレスに行く道でストーカーどもが集まって来たり。


 一日、二日、一週間。

 警戒する日々に違和感が無い。

 もう来ねぇよ。とか雄也がいうけどさすがにソレを鵜呑みにする訳には行かない。

 三味長老の動向が分からない以上警戒を解いてはならないのだ。


 だからこその違和感。

 全く襲いかかって来る気配が無い。

 次第、クラスメイト達がまずダレてくる。


 次に気疲れで土筆とヒルコが警戒を甘くする。

 私だってこんだけ襲撃がないと少しくらいは隙が出来てしまうかもしれない。

 三味長老何処行ったんだろう?


 ラボの始末係が処分した兵士達の仇討ちしに来たりしないんだろうか?

 行方不明になったままらしいからどこかに潜伏してるとは思うんだけど、土筆が島中探したらしいけど見付からなかったんだと。

 何かしらの能力使ってるのか、それとも余程隠れるのが上手いのか。あるいは、もう既にこの島には居ないのか。


 三味長老が死んでれば一班も動いていたらしいのだが、生きていて逃走中ということでどう動くか様子見状態なのだそうだ。

 正直蛇の生殺しみたいでなんかこう、どうにも消化不良感が凄い。

 それでも日々に気を配って三味長老の影を探している。


「……来ない、な」


「何がこんだ?」


「敵よ敵。学園に乗り込んできて撃退したでしょ」


「あー、あん隊長さんか。どこいったんだべなぁ」


 今日も根唯と三味長老について話をしてみる。


「なんなら答え聞いてみる?」


「んー?」


 話に入って来たのは大河和馬。アンサー君の妖使いである。

 携帯電話をちらつかせ、彼はどうする? と告げて来た。

 ガラケーという物凄く昔の携帯電話だ。

 今もつながる訳ではないのだが、彼はアンサー君の妖使いと言うことで、電話自体は普通に繋げることが出来るそうだ。どうやって繋がっているのかはよくわからないそうだけど。


 そうだな。気になるしとりあえず聞くだけ聞いてみるか。

 放課後にアンサー君を行うことを決めて、本日の教科をこなしていく。

 さぁて、どんな結果が出てくるか。

 まさか既に逃走してたとか、あるのかね?


 あるいは逃走途中に誰かに殺されてるとか?

 止音君当たりならやってくれててもおかしくはなさそうだな。

 楠葉っていう護衛をここに置いといてくれた前例もあるし、影ながら何かしらの手を打っててもおかしくない。


「おーし、んじゃ俺も手伝うぜ」


「待て来世、なんで普通に授業受けてた?」


 そう言えば、と気付けば隣にいたいつもの奴が今日は休みだった。


「いや、だってまた暇になったからさぁ、俺も毎日毎日授業中どっかで暇潰しとか面倒なんだよ、せっかくだし有伽と一緒に授業受けれたらなーって。ここ休みだったから借りちゃった」


「すいません先生、不審者です」


「ん? よし、そこの不審者こっち来い」


 丁度教室にやって来た先生に告げ口。

 先生はすぐさま反応し、来世を招集。

 え? マジで? と驚きながらも恐る恐る近づいて行く来世。


「なんで俺の教室にいるんだ?」


「え、っと、その有伽と一緒に授業受けたかったので」

 

 ごまかすことなく言い切りおった。


「良し、分かった。じゃあそこに四つん這いになって」


「四つん這い?」


 疑問を浮かべながら素直に四つん這いになる来世。

 先生はそんな彼に近づく。

 ちょ、股間が目の前に来て来世が焦ってるんですが?


 先生は直ぐにくるりと後ろに身体を反転。

 来世の顔面に尻をくっつけた。


バフッ


 ……いや、それは酷くね?

 無言で一歩前に出る先生。そして来世が無言で崩れ落ちた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ