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7話



うーん王女の話だけを聞いて魔王討伐をしに行くの些か危険だな。この間の夜聞いてしまった話の件もあるし、もっと情報を集めなければ…

あ、後さらっと俺が属性魔法も使えないことが確定した…本当にこの世界では足手まとい過ぎるな…



「そんな…酷い!酷すぎる!王女様、僕達に任せてください!そんな極悪非道の悪者僕達が許しません!絶対に倒して見せる!」


そう言ったのは中島だった。

あいつのことだから王女の話だけを鵜呑みにして討伐しに行く事に賛成するだろうとは思っていたが相変わらず自分の意見がクラス全員の意思の様に話す辺り気に食わない。そして討伐と言っているが魔王と言っても人型の生き物だ。あいつは本当に殺す覚悟があるのか…?

まあいつも勝手に突っ走っては出来ない事は周りにぶん投げる奴だからどうせ今回も一緒だろう。



「流石晴人さん!何処までもついて行きますわ!」


「いつもは意見が合わないけど今回に関しては同意ね!晴人が行くところに私ありなんだから!」


「ん!晴人カッコいい…!」



ああ、これはダメなやつだ中島の意見は全肯定の馬鹿取り巻きの所為でクラス全体が流され始めた。良く思ってなさそうなのは俺のパーティーメンバーくらいである。



「皆んな…ありがとう!皆んなが危険になったら僕が絶対に守る!だからついて来てはくれないか!?勇者の使命として、そして一個人として皆んなが死ぬような事は絶対にないと断言する!」


「そ、そうだよな!中島がそう言うなら安全だよな!俺も手伝うぜ!」


「そうよね!私も手伝うわ!」


一人が同意すると俺も私もと皆中島に着いてく意思を示した。

俺からすればこんな世界に絶対なんて言葉は一番信用してはいけないと思うのだが…

まあ向こうの世界ではあいつが解決出来なくてぶん投げて来た面倒ごとは俺や優、一馬が解決したのにさも自分が解決したかの様に話す奴だから尚のことだ。そして解決しそうな絶妙なタイミングでいつも取り巻きと現れ、取り巻きが中島の手柄として祭り上げるからあいつは自分が解決したと思い俺たちの苦労を知らない。こんな危ない世界でもあいつの子守するなんてごめんだ。この世界ではパーティーメンバー以外極力関わらないように心に決めた。もともと関わってないんだがな…





「皆様、本当に本当にありがとう御座います!感謝してもしきれません!討伐に参加して頂ける皆様には出来る限りのお手伝いをさせて頂きます!

先ずは武器ですね。この世界ではかなり高価な鉱石で神魔石というのがございます。一個単価は質にもよりますが粗悪品でも小白金貨5枚前後、高級品なら白金貨1枚、最高級品で白金貨五枚前後です。ああ、お金の説明が抜けてましたね。すぐ説明させて頂きます。この世界では一般家庭の平均的収入は小金貨二枚から三枚ほどで一ヶ月の生活費が四人家族で贅沢をしなければ小金貨一枚程ですね。硬貨の価値は皆様の世界風に言うと

小銅貨1円

銅貨10円

大銅貨100円

小銀貨500円

銀貨1000円

大銀貨5000円

小金貨10000円

金貨50000円

大金貨10万円

小白金貨100万円

白金貨1000万円

大白金貨1億円

単位はリエン

こんな感じでしょうか。

国としては召喚者様方には一人一つ最高級の神魔石をお渡し致します。」


王女は少しの時間本当に感謝しているように頭を下げ続け、顔を上げてから説明した。一個五千万相当の物を二十人くらいにただで渡すとは凄いな。王女の説明通りこの国も強国の一つであることが伺える。

一クラス二十人は少ないと思うがそれには理由がある。本当は三十弱いて全員召喚する予定だったらしいのだが急に向こうでの俺たちの状態が不安定になり二十名程しか召喚出来なかったようだ。

皆気づいていないがということは向こうの世界に残された人達はほぼ確実死んでいると見ていいだろう。理由だが俺たちは召喚される前に乗っていた飛行機は墜落しかけていたからだ。生きているといった意味では俺たちは十分に幸運と言えるだろう。




「神魔石とは何かご説明させて頂きます。

神魔石とは自身の欲しい武器のイメージをしながら魔力を流すことによりその形道理の物に変わる石です。そしてそれは最初に形を変化させるときに魔力を登録するため自分以外には使えません。

能力は高級品を使えば使うほど多くそして強い物が出来上がると言われています。

これは明日の訓練の時にお渡しいたします。

本日はこれで終わりにしますね。

これからは自由時間としますのでごゆっくりお休みください。」



部屋に戻っている途中の俺たちだが今後のことについて話し合っている。


「また中島のやつに巻き込まれるのか…」


「一馬、もう諦めろ!」


「優は能天気過ぎるのよ。ていうか紅葉!お義父さんから教わった武術私にも教えて!」


何故か結奈は親父の事をお義父さんと呼ぶ。

まあ昔から一緒にいたからだろう。

「私もお願いできますか?」


「そんな一日やっただけで習得できるほど甘いもんじゃないがやらないよりはマシか。ならこれから着替えて訓練場に行こうか。」



俺たちは着替えてから訓練場に向かい訓練をした。教えられる最低限のことは出来る様にした。かなりスパルタに指導したから終わった後に結奈の機嫌を取るのが大変だった…






ローラ視点


私があんなに頭を下げなきゃいけないなんて!

騙す為の演技だけれどあんな下民共に頭を下げるなんて屈辱ね。まあ馬鹿勇者のお陰で何とか魔王を討伐させに行かせることは出来るみたいね。

後はあの遊び人よ!使えない職業の癖に私を怪しんだ目で見てきて!不快でしかないわ。本当なら神魔石だって渡したく無いのに他から反感買うと面倒だからあげるっていうのに疑ってくるなんて!罰として一番粗悪品を渡しましょう。

そして早く迷宮で処理しましょう。


そう思いながらお父様にに報告に行った。



「お父様!召喚者達の説得に完了しましたわ。

ただし、数名反応が良くない者が居ましたが今のところは何も問題ありません。」



「そうか、よくやった。しかしその数名のことはしっかり監視するのだぞ。よいな?今回の件は絶対に失敗してはならぬ。」


机の上の書類から目を離さずにそう言った。



「分かりました。では自室に戻らせて頂きます。」



お父様ったらいつも私の事に関心がありませんのね。魔王討伐が終わったらあの馬鹿勇者に反乱を持ち掛けて次は私が王になりますわ。精々それまでに国を豊かにしといて下さいね?


不敵な笑みを浮かべながら王女は自室に戻った。



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