3話
出来るだけ1日1投稿はするようにします。
王女が出て行ってすぐメイド服を着た女性が部屋に入ってきた。
「皆様、お待たせ致しました。
只今よりこの城で皆様が生活するスペースへと案内させて頂きます。」
そう言ってメイドは案内をし始めた。
この世界に来てから容姿端麗な女性しか見てないが全員がそうなのか…?
「こちらが皆様が食事をされる食堂でございます。王族の方や貴族の方はご利用しませんので礼儀などは不要でございます。
こちらで食事をするのは騎士や使用人、そして皆様だけとなっております。」
そう案内された食堂はなかなかに立派なものだった。向こうの世界にある大学の食堂より大きいのではないだろうか。
「では次は皆様が訓練なされる訓練場に案内させていただきます。」
なかなかのスピードで案内を進めていくから覚えるのが大変だな。あまり一人で行動するのは辞めよう。迷いそうだ。
「こちらが訓練場でございます。
基本的にはどの時間帯でもご利用可能です。
訓練場では深夜以外多くの騎士が訓練しているため誰かしらは戦闘が行える人がいます。
その為無いとは思いますが不審な者や魔物と呼ばれる獣などを見かけた場合で直ぐに人に告げられない場合はこちらまでお越しください。」
魔物?
まだ何も説明されてない状態の為クラスメイト達に動揺が見られる。
「魔物って何ですか?」
「そうですね。皆様はまだ何も説明されていませんでしたね。明日王女様から説明を受けるとは思いますが私からも少しばかり説明させて頂きます。
魔物とは元々人的被害の少なかった生物が魔力を取り込んだことにより変異し、より凶暴になった存在です。ランク別にはなりますが一番弱いものは子供でも倒せ、一番強いものは人類が結託して討伐に向かわなければならないものもいます。
ですが一番強い魔物は今では伝説上の存在となっており、伝承で受け継がれている程度で誰一人として存在を確認したことはありません。
これ以上は明日王女様が説明なさると思うので省かせて頂きます。」
そう言いメイドは次の場所に案内を進めた。
クラスメイト達には喜んでいる人や怖がっている人など様々な様子だった。
「なあ紅葉、魔物だってよ。どう思う?」
「あんな曖昧に説明されただけだと分からないよ。明日王女にしっかり説明してもらわなきゃな」
そう言って優との話を終わらせた。
ただ魔物か…
流れ的には俺たちが討伐しなきゃいけないんだよな。
本当に俺たちにできるのか?
「こちらがこれから皆様が生活される場所でございます。室内に皆様で言うところのシャワーのようなものがあります。そちらは魔力で動いているので魔石に手を翳して頂くだけでご利用できます。右手側が男性左手側が女性一部屋二人ずつとなっております。以上で案内を終わらせて頂きますが、くれぐれも案内した場所以外には行かないようご注意ください。もし行ってしまった場合には何も壊さないようにしながら近くの者にお声掛けしてください。明日は担当の者が起こしに向かいますので今日はゆっくりと休んでください。」
そう言ってメイドは去っていった。
「紅葉、一緒の部屋にしようぜ!」
優にそう言われたので仕方なく一緒の部屋になった。まあ他に男子で仲の良い奴などいないんだがな…
眠れない。
今は0時過ぎだ。
色々ありすぎた所為か考えることが多く全然眠れない。
優はいびきをかいて爆睡している。本当に呑気なやつだ。
仕方ない…訓練場にでも行って親父の所為で日課となってる訓練でもするか…
やばい。迷った。
案内された通りに進んだと思ったんだかなぁ。
高価そうな壺や絵が長い廊下にたくさん置いてある。
確かにこんな長い廊下通ったっけな?
この時間だし誰も居ないだろうから来た道戻るか…
「お父様、無事に召喚が成功致しました。
今の所私を疑っているものもいなく成果は重々と言えるでしょう。」
ん?この声は王女の声だな。
聞き耳立てるのは好きじゃないが状況を知るいい機会でもあるし少し聞いて行くか。
と最もな理由をつけたが一番は寝られなくて暇だからである。
「そうかそうか、それは良かった。ただし気をつけるんだぞ。絶対に魔王が敵対などしておらず友好を結びに来たことはバレてはならぬ。魔王を倒した後は北にあるあの憎きカナディア帝国を滅亡させることまでが計画の内ということを忘れるなよ?」
「ええ、わかっていますわお父様。明日は朝からあの操り人形達に私達に有利な説明をしなきゃいけないのでもうそろそろ自室に戻りますわ。」
「そうか、わかった。出来るだけこちらを信用させこちらの思惑通りに動くようにさせなさい。」
不味いな。取り敢えず王女が来る前に部屋に戻らなければ…
これからのことは部屋に戻って考えよう。
紅葉は出来るだけ早く尚且つ音を立てないように与えられた部屋に戻っていった。