21話
あれから大体1ヶ月くらい経っただろうか。
何故曖昧かというと初めの頃は師匠と訓練すると毎回意識を飛ばされてたから時間感覚が曖昧な所があるからだ。
そして未だに一撃も入れられていない。
人化すると大体の魔物は力が落ちる様で師匠もそうなのか聞いて見たところとぼけ顔で「そうじゃな、龍の状態の百分の一くらいかの」と言っていたので師匠にはいつまで経っても勝てる気はしない。
それから今まで疑問に思ってた事を聞いてみることにした。
「師匠、俺はこの階層の物を食べない限りステータスが上がらないじゃないですか。しかも微々たるものですし。その間に勇者達がレベルアップしていくと突き放されるだけで追いつけないと思うんですが…」
「そうじゃの。このままこの修行だけしてるとまあ無理じゃな。幾ら技術があっても勝てるのは大体ステータスが自分の倍くらいのものだけじゃ。
お主がこの階層の蟷螂を倒したこと事態本来おかしいんじゃよ。」
「あれは急所に入れられたからで打ち合ってたら絶対に勝てませんでしたよ。てか師匠の言う通りならもう俺は一生あいつらには敵わないって事になるんですが…」
「まあまて。そう焦るな。それについては解決策はある。何時迄も打ち合いしてるだけではこれ以上強くならぬしそろそろ魔法の修行にも入るかのう。接近戦は大体できるようだしの。」
師匠は背を向け何かを探す仕草をし拳大の石を10個ほど持ってきた。
「それなんですか?」
「ただの石じゃよ。魔力伝達率が非常に悪いことを除けばの。きちんと魔力操作が出来るようになるとこうやってこの石を操る事ができるのじゃ。」
師匠は石を空中で円を描くように操ったり三角、四角を作ったりと空中で自由自在に操っていた。
「そうじゃの。初めは全部自由自在に操ることができるようになるまでが目標じゃな。それが出来るようになったら石の撃ち合いや剣で切り合ってる間も操れるようにせねばな。そこまでいったらやっと魔法の修行に入れるぞ。」
ほれっと渡して来た石を持ち師匠から少し離れた所に座り魔力を流してみた。
すると6個の石は変化が無く地面に落ちたままで後4個は空中で物凄いスピードで自由奔放に動き回っている。
「何をしておる。それでは全くなってないぞ。先ずは動かす事よりも全部を浮かす事を意識して魔力を均等に流すのじゃ。それが出来なきゃ何も始まらないぞ。」
師匠のアドバイスを聞き動かす事に意識を向けるのをやめ均等に魔力を流し同じくらいの位置に浮かすことに意識を向けた。
すると今度は6個の石が浮き同じくらいの高さに浮いていた。
「自由自在に操れるまでは今まで通り模擬戦をしながら空いた時間にその修行をせい。」
そう師匠に言われた。
初めて魔力操作の修行を始めてから二週間くらい経った。今では師匠と石の撃ち合いを出来るまでになった。
この頃見れてなかったステータスを見てみると少し上がったステータスと新たなスキルがあった。
種族 人族
名前 波風 紅葉
職業遊び人
LV24
HP 2200
MP 700
攻撃 500
防御 680
素早さ 450
運測定不能
スキル
武術LV10 幸運LV10 鉄壁LV5 鑑定LV10 家事LV10 冷静LV7 気配察知LV5 隠密LV5 痛覚耐性LV5 精神耐性LV5 加速LV4 魔力操作LV10 気絶耐性LV4
称号
運の女神に愛されし者
家事の鬼
神龍の弟子
相変わらず属性魔法は発現しないが師匠に言われ色々な物を鑑定していったおかげで大体のものは初見でも鑑定出来るようになった。
「そろそろ魔力操作もほぼ完璧じゃの。よしお主に空気魔法を教えてやろう。それが完璧に出来るようになったらお主以外この世の人型生物が誰一人として使えない魔法を教えてやろう。」
「空気魔法って何だ?てか俺に属性魔法が使えるのか?」
「その考えがお主たち人間の間違った認識なのじゃよ。本来属性魔法スキル何ぞ持ってなくても魔法の発動は出来るのじゃよ。しかしそれを良しとしない人間が昔にはおってのう。属性魔法スキルを持って居ないと発動出来ないように本来の魔法よりも複雑化させたのじゃよ。」
「何でそんな事したんだ?」
「それは人間のお主が一番良く理解しておるじゃろ。人間は他の人間を蹴落として優越感に浸るのが好きな奴が多いんじゃ。遥か昔におった賢者と呼ばれるものは自身が敬われる事に快感を覚えその地位を守ることに必死じゃった。それなのに他の人間が自分と同じように全属性を使えることに苛立ちを覚えたのじゃよ。だから属性魔法スキルが無いと使えないように人々を誤認させそれを一般常識としたのじゃ。」
「なるほどな。人間の醜い部分の所為でか…」
「人間は愚かで傲慢過ぎるのじゃよ。常に自分達が一番の種族と思い込んでおる。儂から見ればただ数が多いだけの虫と一緒じゃよ。ほれそんな事は良いから修行するぞ。時間は有限じゃからな。」
そう師匠が言ったので修行に戻った。




