19話
これから忙しい時期なので不定期投稿になります。すみません。
出来る限り早めに投稿します。
斜面で尚且ついつも寝るときに敷いているミノタウルスの毛皮を洞窟の中に忘れてきたから起きたらかなり体が痛い。
いつも通りストレッチをして体を動かし痛みを取る。そして湖に行き顔を洗い木の実を食べた。
そして山を登る準備を始める。まあ時雨を腰に帯刀するだけなのだが…
「よし。行くか。山頂に階段があればいいんだけどな。」
少しばかりの期待を持ち山を登り始めた。
山自体結構な高さではあるがこの世界に来てステータスが上がったこと、そして魔物が出ないということもあり二時間掛からずに山頂付近へたどり着いた。
山頂には神々しく大きな扉が有った。
不思議な事に一周回って見たがどの位置から見ても扉の正面に自分が来るようになっていた。
まあ異世界だしそういうこともあるだろうと諦め扉を開こうと目の前に立った。
すると自分の存在が押し潰されると錯覚する程のプレッシャーを感じ膝をついてしまった。
「ハハッ…どんだけ強い魔物が居るんだよ…」
気が付けば迷宮から出られないのではという思いが湧き上がり乾いた笑いが出てしまった。
こんなに強いプレッシャーを感じたのは初めてだった。対面しているならまだしも姿も見せずに扉越しで膝を付かせる程のプレッシャーを放つ魔物に、そして成長の兆しがない自分に絶望した。
「小僧、何膝をついて遊んでおる。早う扉を開き此方へ参れ。」
命令口調の図太い声が聞こえた。
人の言葉を話す魔物など最上級Aランクの中でも特に強い一握りの魔物しか存在しない。
そんな魔物に狙われたらどの道助からないか…
なら傷一つでも付けてやろうと思い時雨を抜刀し重力が何倍にもなっていると錯覚する程の体を足に力を入れて進み扉を開けた。
扉を開け前を向きその存在を確認しようとしたが扉の中に足を踏み入れないと認識できないようで扉の先は真っ暗だった。
気を引き締め一歩踏み出した瞬間目にしたのはいつも自分が踏み歩いている地面だった。
声も出せずどんなに力を入れても起き上がれないほど強いプレッシャーを感じた。自分の存在など微生物ほど小さいと感じる程その魔物の存在感は強大であった。
「何をしておる。小僧はそんなに地面で遊ぶのが好きなのか?人間は本当に奇妙なことする。ほら遊んでないで早う立て。」
此方は遊んでる気など一切無いがあの魔物からしたらそう見えるらしい。
抗議しようにも声が出ないし体も動かないのでどうしようもない。
「ああそうか。こっちの形態で居ると人間は何故か地面に這い蹲るのだったな。いやすまない。こんな所に閉じ込められて居るものだから忘れておったわい。許してくれ人間を見るのも久しいのだよ。」
そう言い終わったと思ったら一瞬辺りが光りプレッシャーが収まり体が動かせるようになったのに気づく。すぐさま立ち上がり目の前にいるはずの魔物に目を向ける。
そこに居たのは如何にも健康そうな老人の男性の姿が有った。背筋はしっかり伸びていて身長は大体180センチくらいあるだろう。体格もしっかりしていて白髪の髪や顔の皺を除けば老人とは見えない外見をしている。
「小僧よ済まぬな。久しい存在に少し浮かれておったわい。」
笑いながら話しかけて来たのに少し殺意が湧いたが人型の姿でも勝てるビジョンは一切浮かばないのでどうしようもない。
「お爺さん一体何者なんだ?あんな存在感やプレッシャー感じた事ないぞ。」
「そう焦るな。ほれ茶を入れてやる。こっちに来て座らんか。茶を飲みながらでも説明してやる。」
そう手招きされて初めて部屋の全貌をよく見る。
自分がどれだけ切羽詰まって周りが見えて無かったのかと少し反省した。
部屋とよんでいいのかと疑問に思うほどの広さが有り、端っこの方に押し寄せられたかのように机やら人間が生活に使うものが置いてあった。
椅子に座り出された茶を一口飲んだ。
毒が入ってるかもと警戒したがそんなことをしなくても自分のことなど殺せるから必要無いだろうと思い警戒するのをやめた。
「美味すぎる!」
今まで飲んだお茶が只の水のように感じる程奥深い味わいに感動した。
「そうかそうか、それは良かった。」
にこやかに笑いながら此方を見る老人に少し恥ずかしさを感じ冷静に戻った。
「それで小僧、お主みたいな弱き者が何故迷宮の最下層におるんじゃ?この迷宮は普通に攻略しようとしても最下層には辿り着けぬのだが。」
疑問を浮かべた顔をしている老人に何故此処に居るのかの予想や事実を説明をした。
「難儀な物じゃの。小僧が気づいておるかは知らぬが迷宮にそんなトラップは存在しないのじゃ。
確かに同じ様に転移させる物ならあるが精々二階層下に転移させる物くらいじゃ。まあ状況的にもその騎士とやらが迷宮内をランダムに転移させる魔法を使ったと見るのが妥当じゃろう。それでも最下層に来るなんて相当な運が無ければ来れないんじゃがな。」
「それでお爺さんは一体何なんだ?」
「そうか。まだ儂の存在が何か話しておらんかったのう。儂はこの世界における三体しかおらんとされる龍と呼ばれる魔物じゃ。人間には青神龍とか呼ばれておったのう。そして此処に閉じ込められておる理由だが儂の他に二体の龍がおるのは知っておるな?その二体が喧嘩をし始めてのう。世界が滅びかけたのじゃがそれを止めに入った儂に二体で攻撃してきよってな?儂もまだまだ若かった故にぷっつんときてのう二体が引くぐらい暴れてしもうてのう気が付いた時には此処に閉じ込められておったというわけじゃ。あそこの扉より先には進めぬのじゃよ。」
いやーまいったまいった。という感じに頭をかきながら説明されたが理解するのに少し時間がかかった。




