15話
自由時間も終わり俺たちは迷宮の前にいる。
これから中級階層の15階層に潜る予定だ。
中級階層からは初心者階層とは違い護衛の騎士三人を連れパーティーで活動している。その為遅いパーティーはまだ12階層で止まっている。
一番進んでいるのは考え無しに結奈に良いところを見せようとしている中島のパーティーで現在18階層だ。
「よし!今日も頑張ってレベルアップするぞ!」
優がそう言って皆魔法陣に乗り15階層へと転移した。
転移した先は樹海の様に背の高い木が沢山生えておりジメジメとした雰囲気だ。
「なんか薄暗くて気味が悪いな!早く階段見つけて下に行こうぜ!」
「優くんだめだよ!油断しないで警戒しながら行かないと!」
「夏美と言う通りだぜ?いつもの事で仕方ねえが優は脳筋すぎるんだよ」
「なんだよ一馬!おれは脳筋なんかじゃないぞ!」
はいはいといった感じに皆優のことを無視して探索を始めた。
どうやらこの階層はトラップが多いようで魔物との遭遇は少なかった。優が何回かトラップに引っかかり魔法陣で少し遠くに転移させられたり頭に石が飛んできたりするくらいでそれ以外は何事もなく探索が進んだ。
「おい!逃げろ!滅茶苦茶強い魔物が来る!」
此方の方にダッシュで逃げて来たクラスメイトのパーティーのちょっと後ろには斧を持った牛の様な魔物がいる。
「何故ミノタウルスがこんな所に…
皆様早くお逃げください!
あれは上級のAランクの魔物です!」
それを聞いた俺たちは魔法陣へ向かい走り始めた。俺のパーティーメンバーはもう俺より圧倒的にステータスが高いのでもう既に少し先を走っている。魔物をトレインしてきたパーティーも既に俺の目の前にいる。俺の横には護衛の騎士がいるだけだった。
「危ない!」
騎士はそう俺を押し飛ばした。
そしてにやりと不敵な笑みを浮かべ懐に入れていた紙を取り出し魔力を流した。
その瞬間辺り一面がピカッと光った。
目を開けて見るとそこは15階層の景色では無かった。
「ここはどこだ…?」
辺りを見渡しても人の存在はない。
俺がいる場所は洞窟のようになっていて魔物の気配もない。すぐ近くに出口があるようだったので出てみることにした。
外に出るとそこは神秘的な景色だった。
10メートル級の木が乱立し丁度よく日差しが入り輝いている。すこし奥の方には大きな湖があった。少し歩いてみることにした。洞窟の中は魔物が居ないようだったのであそこを拠点にしようなど考えていたら先程俺たちを追いかけて来ていたミノタウルスを見つけた。慌てて木の裏に隠れミノタウルスが通り過ぎるのを待った。ミノタウルスは獲物を逃したのに苛ついた様子で手に持っている斧で近くの木を切り付けていた。
その時グラっと地面が揺れ地鳴りをしながらミノタウルスに近づく亀裂があった。ミノタウルスは気付かなかったようでまだ一生懸命斧を振っている。その亀裂からその勢いのまま5,6メートルくらいの百足がミノタウルスに飛びついた。
そのままミノタウルスの首を噛み切った。
そして咀嚼を始めた。所々垂れる百足の涎は地面に落ちるとシュゥゥッと煙と音を立てるのでかなり強い酸か毒を持っていることが伺える。
上級のAランク魔物をあっさり殺した辺りあの百足は最上級魔物だろうか。取り敢えず巻き込まれて死んでは堪ったものじゃないので一度洞窟に戻った。




