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私の私による私の為の家作り  作者: おーざっくん
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第六話 世間では不評クラスでは好評


「ねーめぐっちー」

「なぁにぃ?しずちゃん」

 ぼさぼさヘアーのままで席に座っているめぐっち事桃山恵美(ももやまめぐみ)の髪を梳かし(とかし)てあげつつCWOの事を聞いてみた。

 それにしてもCWOではきれいに髪も切り揃えてあるのに現実リアルではお洒落の一つもしないのかこの娘……


「CWOで家って手に入れるの難しいの?」

「ん~ちゃんとしたお家ならぁ割とぉお金がかかるぅかなぁ?」

 予想はしていたがゲーム内とはいえそんなに甘くないか……"ちゃんとした"ってどういう意味?

「え?なになに?椎名(しいな)もCWO初めたの?」


 めぐっちとお喋り(おしゃべり)してると横から声をかけられた。

 クラスメイトの二宮勇気にのみやゆうき君だ。

「て事は椎名も"縁台(えんだい)日向(ひなた)ぼっこ"に入るのか?」

「えんだい……?」

「このクラスのCWOプレイヤーの殆どが所属してる"ギルド"だよ」


「ギルマスぅはクラスメイトじゃなぁいけどねぇ」

 とめぐっちが二宮くんに続く。

「クラスからCWO始める奴が出たら桃山ももやま飯島いいじまのどっちかがスカウトするからだいたいこのクラスの奴だろ?」

「半分ーくらいはぁそんだねぇ」

「ちなみにぃギルマスは"ヌコサマ"だよぉ」

 なんか聞き覚えがあるような……

「あ!昨日の武器を作った人!」

「ご明答ー」ワーパチパチ。

 つまり昨日の武器を作った人、鍛冶師(ブラックスミス)がギルマス、ギルドマスターなのか

 プレイヤーネームといいギルドネームといい猫みたいな人だな。




 ギルドとはPTパーティのような一時的な集まりではなく、長期的な組織である。

 所属してると色々と便利な反面、ギルドの規約なんてものにより拘束される(しばられる)事があったりもする。


 そんな話しをしていると飯島君がやってきた。

「昨日の今日で早速CWOの話しかい?」

「あ飯島君(ししょう)

「え?師匠ってなに?」

「いや、なんとなく……色々詳しそうだし?」

 確かにいきなり師匠呼ばわりは驚くよね。

 CWO(ゲーム内)現実(リアル)では呼び方は分けて貰えると嬉しいかな?とか言ってるけど聞こえない振りをする。

 私だってゲームでも現実でも"しいな"呼びだ。

 うん私が悪いのは解ってる。


 そんなことは横に置いといて話の続きを行う。

「CWOで家って手に入れるの面倒くさいのかなーってめぐっちに聞いてたの」

「そこでぇ二宮が話をぉ聞きつけたのだぁ」

 とめぐっちが補足を入れてくれる。


「なるほど、家ね。CWOをプレイするなら誰しもが目標にするから当然気になるよね。家というかホームと言っても大きく分けて2種類あるんだ」

 流石師匠、早速説明モードである。


「2つ……?」

 どう違うんだろ?

「1つ目は普通に土地を購入して家を建てて、という現実での家の購入に近い形で手に入れる方法」

 ふんふん後1つは?

「2つ目はギルドの個人スペースに部屋を設置する方法」

 またギルドの話しが出た。


「それぞれ利点欠点があるけどなー」とは二宮君。

 後を継いで飯島君(ししょう)が話を続ける。


「街の中にホームを建てるパターンだと兎に角(とにかく)お金が掛かる。」

「購入時の他にも継続使用料も掛かるから維持するのも結構大変なんだ」

「ただお金は掛かるけど個人ホーム(それ)はアカウント毎の管理になるからキャラクターを作り変えようがサブキャラに変えようが使う事が可能なんだ」

「ギルドでのぉホームはぁキャラ単位(ごと)のぉ管理だからぁ、別キャラだとぉ使えないからねぇ」

 飯島君(ししょう)に続きめぐっちが答える。


「ギルドホームはキャラクター毎の管理になるという以外にもギルドが解散されたら消えるしギルドを除名されても消える。尤も(もっとも)家具に関しては個人の倉庫に戻るから安心して」

「壁紙とか柱材みたいな消耗品とかは消えるけどな……てか消えた」

 飯島君(ししょう)が説明、二宮君が補足。


「キャラぁを作り変えるからだぁよぉ」

「やっぱ俺魔法職合わなかったから……」

 からかうめぐっちに二宮君()はそう答えた。

 このクラス(うち)の男子はヘタレが多いのぉ。


「そういう欠点もあるけど、ギルドに所属さえしてれば土地代も利用料も掛からないからハードルはぐっと下がるし取り敢えずハウジングを触ってみたいって場合にはこちらがお薦めかな?」

「同じギルドだと手伝ったりもしやすいし」

 と遊んでる2人を無視して飯島君(ししょう)が続ける。


「後、個人ホームとギルドホームの違いで気を付けないといけないモノに家の大きさがあるね」

 大きさ?

「個人ホームは家のサイズに比例して部屋の数も変わるんだ」

「大きい家なら部屋数も多いし小さい家なら部屋数は少ない」

「最初に小さくても後から変更出来るから、それについては気にすることもないかな?」

「それに引き換えギルドホームは部屋のサイズは多少融通が効くとはいえ、部屋数が決まっててたった"1部屋"しかない」

 さすが飯島君(ししょう)説明王である。

「さっきの取り敢えず触りたいって人にオススメってのは1室だけだからってのも理由の一つなのかな?」

「それもあるね」


 等と話してる内に予鈴が鳴った。


「じゃぁ続きは後で」

「うん!皆ありがとね!」



 するとめぐっちが顔だけこちらに向けて問いかけてくる。


「ねぇしずちゃん、なんかぁ髪の毛編み込まれてなぁい?」

「編み込んだよ」

()()()()()!」

「可愛いから」

 ほどくの面倒くさいのにとかぶつぶつ言ってるけど無視しつつHRホームルームの準備をする。



 ――さきほどの説明を簡単にまとめてみる。


 個人ホーム:土地代や土地継続使用料が必要、ちゃんとしたお家、部屋数は融通がきく、アカウント毎の管理。


 ギルドホーム:利用料はタダ、、部屋数は1つ、ギルドとの繋がりが消えると消滅(ただし家具は手元に戻る)、キャラクター単位の管理。



 ……ふむ、最終的には個人ホームが欲しいけど、取り敢えずはギルドホームからかなぁ?


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