第弐拾話 気になるあの子 ~飯島樹の場合~
僕はとあるVRゲームをプレイしている。
CWOと呼ばれるゲームだ。
CWOで僕はギルド”縁台で日向ぼっこ”のサブマスターなんてものをしている。
ギルド”縁台で日向ぼっこ”は従姉妹の秋野一三 プレイヤーネーム”ヌコサマ”がギルドマスターを務めている
実はこのゲーム、自分から初めたのではない。
先程名前のあがったに秋野一三、彼女に誘われたのだ。
何故自分を誘ったのか聞いたらこんな事を言いだした。
「ギルド立ち上げたいんだけど、私細かいこと苦手じゃん……
だからあんたがサブマスターやってよ」
聞いた当初は呆れたもんだが、押しの強い彼女を昔から苦手とする僕は強くも言えなかった。
必要な機材もポケットマネーで購入してくれるとの事だったので、VRゲームに興味が無かった訳でもない僕は拒否する理由もさほどなく、結局押し切られる様に同意してしまった。
そんな理由もあり、サブマスターになった僕は他のクラスメイトがCWOをプレイすると聞けばギルドに誘ったり、時にはギルドマスターである彼女を諌めたりして、それなりに遊んでいたのである。
意外なことに彼女は人望が高くギルドメンバーからは人気があった。
ギルドメンバーは振り回す、性格も適当、なのに人が集まってくる、ほんと羨ましいよ。
こっちは苦労してるってのに。
――と前提はここまで、で。
最近、ギルド”縁台で日向ぼっこ”にメンバーが一人追加された。
クラスメイトの椎名静華さんだ。
特に共通点も無かったので喋ったことはなかった、と思う。
VRMMOどころか普通のネットゲームですらしたことが無かったらしい。
彼女の友達であり僕と同じく縁台で日向ぼっこのサブマスターである桃山恵美さんがサポートするとは言っていたけど、同じギルドに入るのなら僕も気にかけとこうと思った。
なかなかに可愛いアバターでもあったし、現実世界の彼女もそこそこ可愛いと思っていたからである。
多少不純な動機もありつつゲーム初心者の彼女をサポートしていこうと思う。
そう思ってたのに。
初期ログインボーナスのガチャ1回無料ですごいペットを引き当ててた……
ビギナーズラック?物欲センサー?よくわからないけどすごく幸運だと思う。
一年近くプレイしてるけど、未だに喋るペットなんてみたこと無い。
世の中にはこういう人も居るんだな。
世の中って全く不公平だよ。
真面目に生きていても報われない人も居れば、適当に生きてるのに楽な人生を送る人も居る。
何が違うのか。
もし神様というモノが存在しているのならとんだ捻くれ者だ。
…………
……
まぁそんな事考えててもしょうがないか。
小説の世界でもあるまいし、突然チート武器が手に入るとか、チートスキルが手に入るとか、ハーレム状態になるとか有るわけないんだ、一生懸命現実的に生きるしかない。




