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碧恋の詠―貴方さえ護れるのなら、許されなくても浅はかに。  作者: 宵月葵
【 第一部 】 叶わない想い
7/372

6.

 

 

 


 「やっと、来れた」



 雨の路地に冬乃はひとり佇んでいた。


 夜のせわしい六本木からは外れた、静かな墓地の塀の前で、冬乃は手を合わせる。



 長く来ることができなかったのは、たとえここに眠る人を想う心に変わりなくとも、付き合っている存在がいたため。


 だが今は、そしてこれから先はずっと独りでいる。




 ────つらかった。


 貴方を想うのが苦しかったのです。私は何度も逃げようとした。


 でも付き合った人たちを傷つけて、それだけしか残らなかった。


 もう逃げません。逃げれない。どんなにがんばっても貴方以外の人を好きになれない。


 苦しいけど、貴方を想っているときがいちばん幸せ。


 それで十分だと、いつか思えるかもしれないから。






 雨が小降りになっている。


 さわさわと風が鳴っていた。




 (貴方しか愛せないなら、)


 冬乃は傘を下ろし、空を見上げた。



 (一生貴方だけを想って生きる)




 そして、いつか・・


 生きているうちに逢えなくても、


 いつかこの寿命を終えたとき。


 沖田様、逢いにいかせてください。








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