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31.
(どっちだろう・・?)
冬乃が何をしようとその冬乃の行動は、本当に、すでに決められた歴史の一部であるだけなのか。
そうならば、何も躊躇することはない。
(それなら、言ってしまえばいいだけ)
未来の平成において分かっている歴史は、「政変があった」ほうなのだ。
ならば今ここで冬乃が暴露してしまおうと、明日には結局、決められた通り政変が起こるだろう。
だけど。
(もし、そうじゃないなら・・?)
もし。歴史は決められたものではなく、刻一刻と作り変えられてゆくものなのだとしたら。
(それなら、絶対言えない)
沖田たちと話をして一緒にごはんを食べた、そんな小さな変更を歴史の流れに加えただけなら、まだ許されるかもしれない。
だが未来を知る冬乃の一言で歴史を完全に覆すかもしれないとなれば、そんなのは "変更” の規模が違う。
(どうしよう・・)
なにか、別の。
こんな、言うか言うまいかで心配をしなくて済むような、
もっと小さな事件が、明日、無かっただろうか。・・・




