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「そっか。・・いつかタイムマシンできて叶うといいのにネ」
千秋はカバンからおもむろに雑誌を取り出した。
「ちょっと高いけどぉ・・コレ」
恋、お金、あなたに奇跡を起す石
カラフルに彩られた大文字が紙面を飾り付けている。
「うそくさ・・」
「でもぉ、これ口コミだから。身につけてればいいだけだしぃ、夢でくらい逢えるかもしれなくない?」
「あのね口コミ言ったって、情報操作でどうにでもなるの」
「うわ・・さむ・・」
「それで千秋いきなり奇跡とか言い出したわけ」
「もイイよ何も言わないからぁ」
むくれる千秋についに苦笑して冬乃は、下駄箱から靴を落として上履きをしまった。
「それよかこれからどぉする?」
「あー。さっきね電話でぇ真弓きょーバイト休みになったって、うちら待つってゆってた」
「どこ、ムック?」




