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碧恋の詠―貴方さえ護れるのなら、許されなくても浅はかに。  作者: 宵月葵
【 第一部 】 叶わない想い
2/372

1.





 逢いたい人がいる。


 

 身の焦がれるほどに愛しい人、


 貴方がここにいてくれたなら。


 ここにいて、そばにいて、


 大丈夫だと、抱き締めてくれたなら、


 どんなに・・・・











 「もしも奇跡がおこるとしたら?」

 冬乃は気だるげに顔を上げた。


 「そお、冬乃だったらさぁ、何願う?」


 「奇跡なんておこるわけなくない?」

 「それ夢なさすぎぃ。てか昔のひと好きなんでしょ、えっと江戸時代の・・」

 「・・沖田様のこと?」

 「そー」


 机に放り出したままのコスメ一式をいいかげん片付け始めながら、冬乃は小さく溜息をつく。

 「それが何か奇跡と関係あるわけ」


 「だって冬乃、いつかそのひとに逢いたいっていつも言ってるじゃん、それってぇ奇跡願ってることじゃない?」


 「・・・」


 放課後の薄暗い教室に、二人の影が僅かに浮かんでいる。

 冬乃の影が揺れ、後方にずらす椅子の音が教室中にやけに響いた。


 高校3年、18歳になったばかりの冬乃は、目の前の友人、千秋を見据えた。


 「私はね、奇跡とか信じないの」


 「だからぁ冬乃が願ってることは奇跡だって」

 「願うけど信じない」


 「何それ?変」

 千秋は不可解そうに眉をひそめた。

 「逢いたいって、そぉゆうことじゃん」


 「・・・いつか逢えるって信じたって、いつまでも叶わない現実に苦しくなるだけ。だから信じない。逢いたいって願うけど、ほんとに逢えるなんてもう信じない」


 冬乃は教室を出た。千秋が後に続く。



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