新スキル確認
やっとのことでスキルの確認!
「…と、言うわけだ。」
何があったかを聞いて、俺は絶句してしまった。
俺がやったこと自体が気になるが、魔法を使ったことが一番気になった。
俺は魔法を覚えていないはずだった。
「……おい、シュト。お前、スキルはなにを持っている?」
「なんで今そんなことを」
「答えろ。場合によっては原因がわかるかもしれない。」
「わ、わかった。少し待ってくれ。今から確認をする。」
スキルを見て原因がわかる?
俺にはどうすればそんな発想が思いつくかわからないが、まだスキルを確認していなかったから、ちょうどよかった。
(叡智人、俺が持っているスキルを全て教えろ。)
『主のスキルを確認中……確認できました。個体名、シュト・リデュールのスキルを開示します。』
名前 シュト・リデュール
種族 上位粘性固体生物
称号 暴食の持手
迷宮
所持技能
叡智人
演算速度三百倍 解析 魔力制御 魔力操作
細胞操作 詠唱無視 魔法操作 確率微操作
暴食
意思持者 魔力魔素容量上昇 吸収
融合吸収、相手の了承を得て、吸収をする。
箱
吸収したものをストックする。
特殊技能
スキル作成
生命、魂を贄にスキルを作成する。
スキル作成・限
自分の魔力、生命の半分を贄に、一分の時間制限を持つスキルを作成する。
種族技能
捕食、分裂、擬態
耐性
物理無効
痛覚無効
属性耐性
状態異常耐性
なんだこれは。
冗談ですまないスキルがある。
スキル作成
これが本当ならば、俺は全世界の全スキルを持つことが出来るということか?
「どうだ?シュト。確認はできたか。」
これは言ってもいいものなのか?
言ったらかなり厄介なことになるんじゃないか?
だが、言わなければ暴走の原因はわからないかもしれない。
次暴走した時にマリやロブリク、マリク、そして、村のみんなを攻撃しない保証はない。
村の安全か、俺の安全か。
ここで俺がスキルを言わなくても、原因がわかる可能性はまだある。
だが、俺は選択した。こんなの、決まっている。
「俺のスキルは、スキル作成、スキル作成・限
叡智人、暴食、箱だ。」
「……は?」
「どうした?」
「いや、なんでもない。俺の聞き間違いだ。もう一度言ってくれ。」
「スキル作成、スキル作成・限、叡智人、暴食
箱だ。」
「叡智人!?スキル作成!?暴食だと!?」
うるせぇ。そんなにうるさくなることなのか?
だが、スキル作成はわかる。暴食も七大罪系だと思うからわかる。
だが、叡智人は有名なのか?
オリジナルスキルと出ていたが、知られているのか?
「叡智人を知ってるのか?」
「知ってるもなにも、オリジナルスキルだぞ?知らないほうがおかしい。」
あれ?隼人の言ってることは、まるでオリジナルがその人専用のスキルではないと言ってるようなものだ。
「オリジナルとは、専用という意味じゃないのか?」
「違う。そんなのも知らないのか。」
「自分、スライムなんで。」
「それそうか。すまんな。」
「そんなことより早く質問に答えろよ。」
「わかったが、その前に少し昔の物語を話そう。」
世界の始まり
はるか昔、今のような国も、亜人も、スキルも、魔道具も、魔物も、魔法も、魔素も、魔力もないが、文明は今よりもかなり発展していた時代があった。その時代には、電気というものがあった。その、電気というものでなんでも出来たんだ。焼く、明かりを灯す、水をお湯にする、お湯を水にする、地面を動かす。などと、とにかく電気でなんでもできた。だが、電気を作れば作るほど、世界の寿命は縮まっていった。世界の寿命が無くなれば、世界は滅びる。神は、世界を滅ぼさせるわけにはいかないと思った。人間は、死んだら魂が輪廻の輪に入り、また生まれ変わる。だが、神はその死んだ後の魂を、異世界に飛ばすことで、電気を使用する人間を減らそうと考えた。だが、いきなり世界を変えても適応が出来ないので、神はその魂たちにスキルと前世の記憶を与えた。転生した世界は、今のこの世界と性質はほとんど同じだった。亜人がいて、魔法があり、スキルがあり、国があり、魔道具があり、魔力、魔素があり、魔物がいた。転生した者は、与えられた能力で、天才となっていった。そして、二年経ったころには、星の再生が上回り、寿命が減っていくことは無くなった。だが、異世界に転生した人間は、転生した世界の文明レベルが低いことに耐えきれず、元の世界に戻れないかを試した。そして、与えられた能力で、なんと世界間を移動する術を作ってしまった。人間は、それで元の世界に戻ったが、開いた扉は閉まらなかった。しかも、だんだんと広がっていき、最後には元の世界と融合してしまった。融合してしまった世界は、地形が大きく変わり、異世界に飛び、生命になっていなかった魂は、時空の狭間に入ってしまった。
融合した世界では、魔物が活性化し、転生した天才達は全員が死んだ。残った亜人と人間達は、協力し、戦った。だが、魔物に次々と国を破壊されていった。神は、人間が魔物に勝てるように協力した。一部の人間に、強力なスキルをさずけた。そして、人間達は戦った。異世界の人々は、魔法を使った。やがて、魔物との戦いに勝ち、人間達は平和を取り戻した。だが、異世界の人々は、元の世界の人々はスキルを与えられた者以外はなにもやっていないと主張した。人々は反論をした。やがて、戦いとなり、戦争となった。初めは、スキルを持つものが前線で戦い、押していたが、数が違いすぎた。やがて、死に、元の世界の人々は降伏した。異世界の人々はそれを認めず、全員を皆殺しにした。これにより、文明を受け継ぐ者がいなくなり、文明は異世界と同じものになった。そして、勝利した人々は思った。神から与えられたスキルはどこへいくのか。そこから、さほど時間はかからなかった。十年立つ頃には全てが判明していた。
神から与えられたスキルはオリジナルスキルといい、一つの世界に1人しか得られないと。オリジナルスキルを持つものが死ねば、また他の者に授かれると。人間は神に要求をした。オリジナルスキルを増やせと。神はそれを断った。人は神を襲った。神は追い詰められ、最後の手段で、亜人に助けを求めた。だが、それでも人は止まらなかった。人は、神をも滅ぼし、神に協力した亜人は、全てが奴隷になった。死んだ神は、最後に時空の狭間に閉じ込められた魂を解放し、オリジナルスキルを授けた。。だが、魂は時代を超えて、ランダムな時代に転生した。これにより、世界のオリジナルスキルは転生しようとしている魂に授けられている為、世界でオリジナルスキルを持つものはいなくなった。これにより、オリジナルスキルによる世界の争いは終幕を演じた。
余談だが、オリジナルスキルを持っていると判明した者は、皆、殺されている。
筆者 オベール・ディ・コート
「これで、この物語は終了だ。」
「・・・おい、隼人。まさか、お前は転生者なのか?」
「そうだが、お前もだろう?一つ言っておくが、オリジナルスキルを持っていると絶対に言わない方がいい。叡智人はもう知られている。出来るだけ鑑定をされるな。」
「わかったが、隼人はなんで無事なんだ?ギルドマスターになったなら有名になるだろうに。」
「それは、オリジナルスキルは、まだ全部は判明していないんだ。それで、俺のオリジナルスキルはまだ知られていないスキルだからな。」
「そうか。」
さっきの物語で出てた滅んだ世界は、俺がいた世界じゃないのか?
まあ、わかった所でどうしようもないか。
「あと、暴走の原因がわかった。恐らく、暴食の危険感知だ。」
「そうか。わかったならもういいや。リドル、この街を案内してくれ。」
「冒険者登録はいいのか?」
「観光してからするよ。」
「そうか。なら、マリちゃんもついてこい!」
「は、はひ!?」
「そうだな。俺と一緒に観光するか!」
「え!そ、そんな恐れ多いことはできません!」
「いいから、いくぞー!」
「え!待ってくださーい!」
俺はマリを無理やり連れだして、一緒に観光に行く。
オリジナルスキルだとか知らん。
そんなことより、俺はこの、シドリアル王国を観光したいんだ。
「早く来い!リドル!」
「お、おい!まて!」
「はぁ、まあいい。登録がしたくなったらまた来いよ!」
「わかった!じゃあな!」
「待ってください~!」
最後はのほほんとなりました。
シュトは、オリジナルスキルは自分で作ったと思っています。だから自分専用だと思っているのです。
十二月九日
一部修正