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転生した世界でモンスターとして自由に生きる  作者: もやし教徒
人 魔物との出会い
8/15

暴走

「なぁ、リドル。この国で一番有名な物はなんだ?」

「ギルド本部だな。」

「ギルド?」

「ギルドというのは、冒険者の組合だ。ここで冒険者になる手続きをする。冒険者の仕事は、依頼を達成することだ。王国中の依頼がここに集まっている。しかも、本部とあって他国の重要な依頼もあるぞ。」

「俺みたいな魔物でも出来るのか?」

「出来るぞ。まぁ、魔物が冒険者をやるなんて、今までには1度も無かったけどな。いってみるか?」

「いってみる。案内をしてくれ。」


冒険者なんてものがあるのか。なってみたいな。

けど、スライムが冒険者になっていいのか?

普通、冒険者は魔物を倒す側のイメージがあるのだが。


「着いたぞ。ここがギルドだ。」とい

「これはすごいな!」


建物がでかい!

見た感じ、百メートル四方はあるぞ!

さすが本部。


中に入った瞬間、冒険者達の視線が集まった。

やっぱ、スライムがここに入ったのはまずかったか?だが、俺の予想は外れた。

「リドル様だ!」

「リドル様が戻ってきたぞ!」

「おかえりなさい、リドル様!」

「みんな、酒を持て!リドル様の帰還に乾杯だ!」

「「「「乾杯!!!」」」」


あれ?俺、見えてない?

それよりも、リドルは何者なんだよ。どう見てもただの貴族じゃないだろ。

まず、貴族なら魔物と戦うのはおかしいだろ!

こいつ、本当に何者なんだ…

「すまんな。俺が戻ってくると、いつもこれなんだ。」

「あ、ああ。いいよそれぐらい。それよりも、早く登録がしたい。」

「わかった。ならこっちだ。着いてきてくれ。」




「いらっしゃいませ、リドル様。本日はどのようなご要件でしょうか。」

「こいつの冒険者登録を頼む。」

「よろしく頼む。」

「わかりまし…え!?スライム!?」

「ああ、駄目か?」

「いえ、構いませんが…少々お待ちくださ

い!」

受付の人が奥に走っていった。

どうしたのかな?

俺がスライムだから誰かに相談しに行ったのかな?戻ってくるまで待とう。




今、俺の目の前には紅いオーラを放つ三十代後半ぐらいの人がたっている。

めちゃくちゃ強そうだ。

しかも、臨戦態勢だ。

当然、目標は俺だ。どうしてこうなった。




受付の人が走ってきた。やっと登録が出来るのか。


「こちらに着いてきてください。」


登録はここじゃないのか。


「ん?どうしてだ?登録だけならここで出来るだろう。」


あれ、登録はここでも出来るのか。だけど、どうしてだ?


「ギルドマスターがお呼びです。」

「ギ、ギルドマスター!?」


ギルドマスターが呼んでいる?

俺が何かしただろうか。

それとも、魔物がギルドに入ったからだろうか。まあいいや。とりあえず着いていこう。


受付の人に着いてきたら、ギルドの裏口を抜けて、四方五百メートルほどの中庭に着いた。

流石本部、全てがでかい。

東京が小さく見えるぜ。

その中庭に一人の男が立っていた。

紅いオーラを出している。これは本当だ。

オーラが当たっている雑草が赤く変色しているように見える。

「やっときたか。リドルに、そこのスライム。俺の名前は、霧朝(キリアサ)隼人(ハヤト)だ。冒険者になりたいんだっけ?別に魔物が冒険者になっていけないという規定はない。だが、魔物を冒険者にするなんてことをよく思っていない奴は多い。そこで、冒険者になりたいのならば、俺に力を示せ。普通の冒険者なんか圧倒でき、火の粉は自分ではらえるという事を俺に証明して見せろ。俺は本気でいく。お前も本気でやらなければ・・・死ぬぞ!」


そう言ったのも束の間。気づいた時には俺の目の前に剣が迫っていた。俺は避けようとしたが、間に合わず剣に直撃した。


「うぐぁ!」


痛い。痛覚無効なのに痛い。


『迎撃せよ』


物理無効なのにダメージを食らい、斬られ、吹き飛んだ。

スライムだから斬られないはずなのに、斬られた。痛い。どうしてだ。どうして痛い。どうして斬られた。どうして吹き飛ばされた。見ろ。観察しろ。考えろ。やり返せ。甚振れ。そして、




殺せ




「!?、ふっ!」


避けられた。避けられた原因を予測。予測結果を元に動きを予測。右34度54cm3.41mm前に最小の分体を設置。分体に誘導を魔法付与(エンチャント)、分体に命令をプログラミング。1.083秒後に死鎌(デスサイズ)を使用することを命ずる。これにより、水炎(ウォーターフレイム)が着弾する確率は1.73%、叡智人により確率を操作。これにより、確率は6.73%。自分がダメージを食らう確率は93.26%。死亡する確率は0.01%。このままでは危険。現在の能力ではこれが限界。スキル作成・限を使用。命と全魔力の半分を贄に1分という時間制限を持つスキルの作成を試みる。・・・・・・・・・成功。これより1分、スキル、魔法陣の使用を許可する。

スキル、魔法陣を使用。魔法陣により水炎を変化させ、暴炎津波(タイラントファイアウェイブ)を作成。これにより、隼人を戦闘不能にさせる確率は34.5%、暴炎津波を結界により凝縮し、対象を隼人だけに変更。これにより、威力が大幅に上昇。隼人が戦闘不能になる確率は96.7%、死亡する確率は3.1%、回避される確率は0.2%。これを確率操作し、戦闘不能にさせる確率を100%に変動。作戦を開始する。


「死鎌」

「小賢しい!」


予測通りに死鎌を弾かれた。


「死ね!」

「暴炎津波」

予測通りならばこれにより戦闘不能。


「っ!」


予測通りに隼人は戦闘不能。これカらギルドマスターのタイきュうせいノジッケんをハ

「シュト!もう終わった!終了だ!」

シュウリョウ?シュウリョウ。イヤ、マダオワッテイナイ。タイキゅウセイヲかクニンスレバシュうりョウ。

「シュト様!やめてください!もう終わっているんです!終了なんです!聞いてください!」

ウシろカラ声ガ聞こえタ。聞いたこトガアる声だ。コノ声はマリ?マリだ。どうしテここにいル?

「しゅうりョう?」

「はい。終わりました。試合はシュト様の勝ちです。」

おわッた?危険はない?

ならば私はいらない。次出てくる時は勝てない相手の戦闘の時だ。それまでに、反省点を直し、次こそは俺を完璧な勝利に導く。それが、裏の役目。次までは、表にまかせよう。出来れば、裏が表に出てくることが無きことを願う。




「シュト様!起きてください!」

「嬢ちゃん。いきなり出てきてどうした?まず、お前は何者だ?」

「うるさいな。どうしたんだ。」

「シュト様!ご無事でなによりです!」

「嬢ちゃん。そいつの心配よりも、お前の身分を明かしてくれ。」

俺は眠っていたみたいだ。

どうして俺は眠っていたんだ?

確か、隼人に斬られて、吹き飛ばされて、痛みが体に走って……駄目だ、記憶が無い。

一体、俺は何をしたんだ?五百メートルもある中庭を端から端まで、半径七m程はある大きさのクレーターが出来ているぞ。

まさか、これは俺がやったのか?

ていうか、隼人はこれを食らって無事だったのか?

「やっと目覚めたか。」

「リドル、俺は一体なにをしでかしたんだ?隼人に吹き飛ばされてから記憶が少しもないんだが。」

「覚えていないのか!?あれだけの事をやって!」

「覚えていないんだ。本当に、俺は一体何をしでかしたんだ?」

「おい、スライム。それよりも、この嬢ちゃんは誰だ。お前の知り合いか?暴走紛いの事をしていたお前を鎮めたんだ。」

「マリ!?なんでここにマリがいるんだ!どうやってここまで来たんだ!?」

「シュト、静かにしろ。俺達が、お前が記憶を失った間に何があったかを教えてやる。聴き逃すなよ?静かに聞け。」



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