7 報告
町を一通り見て回った俺達はギルドホームへ帰り、ギルドマスターへ報告しようとしていた。
ギルドホームの入り口を潜れば、暖かな空気が自分の体を包む。
俺達はお帰りなさい、とメンバーが声を掛けてくれるのを聞きながら階段を駆け上り、あるドアに手を掛けノックした。
この部屋はギルドマスターの部屋。
このドアを開ければギルド内で絶対的な権力を持つ王がそこには居るだろう。
俺はノックの返答を待った。その内「入れ」と一言聞こえた。俺は即座にドアを開け中に入る。
そこには、壮年の男性が椅子に座っている。
この男こそ、ギルド「月影」のギルドマスターにしてランキング847のプレイヤー、「ルウェイス」である。
青の長髪を風に揺らしながらこちらを見つめるその姿は、強烈な覇気を感じさせる。
レンもイリアも―――――勿論俺も、その覇気を前にしては沈黙していた。
長く続いた沈黙を破ったのは以外にもルウェイスであった。
「ザンジ、探索を終わらせたようだな」
「は、はい」
俺は彼を前にして何時の間にか敬語を使っていた。
そんな俺を見ると、ルウェイスは俺に声を掛けてきた。
「楽にした方がいい」
「……ああ」
言葉を戻した俺を見て、ルウェイスは話し始めた。
「報告を頼む」
「……まず、物品の値上げが見受けられた」
その言葉を聞き、ルウェイスは眉毛をピクリと動かすと、返答した。
「それは、食料の事か、装備の事か、道具の事か、それとも全てか」
「全てだ」
一瞬深刻そうな表情を見せると、彼は口を開く。
「……食料は、どれぐらいの値段かね」
「リアルに準じている。パンなら百ルア位か」
余りにも現実的な値段を聞き、彼は一瞬苦笑を見せたが、直ぐに元の冷徹な顔に戻る。
「まるで百均のようだ。では、そこまでの値上げでは無いと」
「そうだな」
「では、町のプレイヤーの様子を聞きたい」
「プレイヤーは、かなりの武装状態だ。俺が斧を持っていくか苦悩したのが嘘みたいだ」
「ふむ、そうか」
俺の言葉の通り、町のプレイヤーは銃や武器を持ち武装していた。
町の保安官にも止められる気配は無いし、俺の心配は杞憂であった。
ランキングはそこまででは無いことを伝えると、彼は安堵の表情を見せた。
「ふむ、ご苦労だった。後で書類に纏めてくれると有り難い」
半強制な仕事を押し付けられたが、俺はそのまま部屋を出た。




