71 コンタクト
「義勇軍だって?」
「そうだ、義勇軍。俺達はそのリーダーを探している」
「こっちもだ」
僕の答えを聞くなり、ラベルは舌打ちした。
「くそ、誰を当たっても駄目だ………」
ラベルの呟きを聞いて、僕は返した。
「いい案がある」
「何だ?」
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「本当にここで良いのか?」
ラベルが聞いてくるのに無言で頷く。
僕は双眼鏡………… 倍率は20倍の物だ。それを覗き、通りを見る。
ここは無法地帯の中心部。
情報が正しければ、今日ここにテロリスト集団が現れる筈だ。それを狙って義勇軍が来るとすれば、そこを狙えばきっとリーダーに会える筈だ。
「見逃すなよ。レベル推定千万以上………… 恐ろしく早い筈だ」
待つこと二十分、通りに複数の人間が現れた。
性別は分からない。
と言うより、この世界では性別は意味がない。
性別はアバターに合わせられる。現実での性別は関係無い。性別だけで人を判断は出来ない。口調、仕草まで気を付けなければならない。
「種族は分かるか」
「ああ。左から、人間、人間、エルフ、ドワーフ、あれは………… 妖狐か」
人間とエルフとか………
構成は驚異に値しない。全員バラバラ、まるで戦闘能力は無さそうだ。
「オーケー、僕たちにでも倒せそうだ」
僕が言った瞬間、カランと音が聞こえた。
「あれは………… グレネード!」
双眼鏡の奥の物体がスモークを噴出し始める。
それはスモークグレネードだったのだ。
「義勇軍だ、行くぞ」
僕は立ち上がってビルから降りた。
スモークの方に接近して、義勇軍の様子を見に行く。
「サーマル!」
小声で叫び、サーマルゴーグルを付けるようにラベルに促す。
サーマルゴーグルを付けて見ると、五人のプレイヤーが戸惑っているのが見える。
そこに、一人現れた人間が、一人ずつ仕留めていく。
首の後ろに手刀を叩き込んでいる。
ステータスの暴力だ。現実でやっても意味は無いだろう。
全員がやがて気絶した。
手際がいい。
僕達の数倍。
スモークを投げ、混乱させてから仕留める。真っ向から向かっていく僕達の戦い方とは全く違う。
「あれが、義勇軍……………」
思わず感嘆の声が漏れた。
あの強さに到達するまで、どれだけの訓練や戦闘を繰り返してきたのか。
僕たちもいつかあの強さまで到達するのだろう。
「妙だな。レベル1000万とは思えない」
「リーダーでは無いだけだろう。コンタクトだ」
コンタクトを取る、そのために僕達は慎重に歩み寄った。
うまくいけば、仲間に引き込める。




