65 決死の抵抗
「撃てぇ!!」
迸る雷鳴。
音速を優に越えた超速の粒子が放たれる。
「まだだ!」
次の弾が発射される。
リヴァイアサンに向かって発射された粒子が、リヴァイアサンの鱗を貫く。
流石にレールガンの攻撃は弾けないようで、リヴァイアサンは確実にダメージを受けていた。
俺を含む見学のプレイヤーは見守っているだけだったが、一部のプレイヤーは銃を乱射していた。
威嚇にでもなれば、と言うのが理由だったらしい。
実際は、リヴァイアサンの鱗に阻まれて全くダメージは通らず、本当に威嚇程度にしかならなかった。
しかしそれでも、レールガンの撃てる時間を稼ぐと言う意味では最善の選択肢だった。
「もっと撃て!」
艦長の叫びが聞こえる。
現時点で船はバリアに守られており、まだ沈没はしないのだが、いつそうなっても可笑しくはない。
リヴァイアサンの攻撃でバリアの耐久値はごりごり削られている。
バリアのコアとなる柱のクリスタルは、今にも破壊されそうに明滅を繰り返す。
「ちくしょう…………」
レールガンの攻撃のダメージは確実に入っていた。
しかし、それも小さなもの。俺の目に見えるリヴァイアサンの体力ケージは、最上段が2割削れている。
「波だ!」
俺の居た甲板に波が迫っていた。
リヴァイアサンの操る海の海流が荒れ狂い俺達を襲っていた。
俺は必死に波に飲まれないようにしながら指示を飛ばした。
「お前ら、柱に掴まれ!」
柱に掴まるよう指示を飛ばして俺はリヴァイアサンを見る。
良く分からなかったが、リヴァイアサンの鱗に違和感を感じた。
一枚だけ逆立っている。
そう、逆鱗。当然逆鱗は有るはずであり、それは不思議ではない。
俺が見ていたのはその周り。
逆鱗の近くに、色の違う鱗が生えているのだ。
俺のハンドガンでは届かない位置だ。
しかし、弱点であろう事は予想できる。俺の槍が届けばダメージを入れれそうだったが、今は無理だ。
いつか届くようになる日は来る。
いつか、きっと。
「撃て!」
レールガンは今も打ち続けている。
戦艦は港に向かって逃げる形を取っている。
今は勝てない。武器が必要だ。リヴァイアサンの鱗を貫通し、明確なダメージを通す武器が。
雷魔法は効きそうだったが、残念なことに雷魔法の使い手はいない。
雷魔法は不遇の魔法でもある。敵が使えば強いのに自分達が使えば弱い。
照準は付けづらい、威力は高くても消費MPが多すぎる、と不遇の扱いを受ける魔法だった。
「もう少しで港に付く!」
「あと少しだ! 死ぬなよ!」




