55 帰還
「何だと!?」
あの会議から2日。
僕は衝撃の事実を聞いた。
「ミリルがリハビリを終えた!?」
「そうだ、リク。迎えにいってやるといい」
「言われなくても!」
僕は駆け出していた。
ミリルの収容された病院に向かって全速力で。
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「ミリル!」
「リク君!? 会いたかったです…………」
「さあ、帰ろう」
「そうですね。帰りましょう」
実際、帰れたのは夜であった。
夜、僕たちはあの公園に差し掛かった。
「なんか、僕達が出会ったのが凄く昔に思える」
「そうですね………… まだ、半年も経ってないのに」
「なあ、ミリル」
「何ですか?」
ミリルが僕の方を見てくる。
僕は空を見ながら呟いた。
「暫く、攻略最前線から外れようと思う。少し休んでいたい」
「私も思ってました。暫く戦いとは無縁でいましょう」
もう、精神的に消耗していた。暫くは戦いと離れて静かに過ごした方がいい。
実際、ミリルの医者もそう言っていた。
「ウェーブ2のボスには挑みますか?」
「せめて、ボスには参加しよう。長く戦わないとカンが鈍る」
「そうですね……… さあ、帰りましょう」
今日は初めて、フェイムからメーラまで徒歩で帰っていった。
ミリルと手を繋ぎながら空を見上げる。
「やっぱり、星座は見当たらないな………」
「もうここは地球じゃありませんよ。何時までもやってないで行きましょう」
「……………そうだな。今日は星が綺麗だ」
「そうですね。日本じゃ見られませんよ」
夜空には無数の星が瞬いている。
環境汚染やビルなどの障害が無くて初めて見える星空だ。
ファンタジーである故、日本とは違って見える。
「ああ、もうここまで復興していたのか」
「確か、大規模な火災が有ったんですよね」
「ああ。ザンジとのパーティーもここで組んでいた」
メーラの四区を回っていた。僕の家は町の外れなので必然的に町を回る事になる。
確か、ここで初めてPVPをしたんだったな。あの時は眠らせていた。
まだ人を殺す勇気が無かったころだ。どこかのゲームのような集団と戦っていたのを覚えている。
ザンジが引き付けてくれていたお陰で狙撃に成功した。
「さて、家ももうすぐだ」
「そうですね………… やっと、戻ってこれました」
「そういえば、あの男とはどんな関係だったんだ?」
「そうですね………… ギルドの二分時に、私はあの男と対立していました」
「そうか…………」
辛いことを思い出させたかもしれない。
早めに話の腰を折る。
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「そうか、残念だ」
「いつか戻ってくる。それまで待っててくれ」
深夜、ラベルと話していた。僕とミリルが最前線から離れる事を話していた。
「ああ。いつか、戻ってきてくれ。いつでも俺達は君たちの帰りを待っている」
「なんせ、この世界の"勇気と慈悲の双聖"なのだからな」




