54 会議:5
「まず、リクとカインが前衛だな」
ラベルが言う。僕は攻撃的なクラスだし、カインも挑発スキルを使えるし剣聖のクラスも持っている。僕達が前衛だという判断は正しいだろう。
「ローレウスが中衛、俺が後衛」
「サエコさんも入るなら中衛に入れよう」
ローレウスとサエコさんの二人は近接戦に向いていない。中衛に置いておけば、前衛の僕らにガードをしてもらえる訳だ。
「お前後衛か? ビビりだな」
「考えろカイン………ラベルのクラス"指揮官"の効果を正しく発動させるためにはこの陣営が一番有効だ」
考え込むカイン。前からの事だが、カインは難しい事に弱い節がある。決断力はあるが、何も考えずに特攻してやられるのがオチだ。
「えっと………私は中衛でありますか」
「ああ。それがどうかしたか?」
「私、近接スキルも高いであります」
科学系だから近接スキルの強化はしていないと思ったが、上げていたのか。
恐らく、スキルのメニューからは抜いているだろう。ゲーム時代では、獲得したスキルを非表示に出来た。何でも、きちんと整理されたメニューが美しいかららしい。このシステムは、今になっても変わらない。
上げていないと思ってもいつの間にか上がっていることもあり、非表示にするシステムは少し不便でもあるがデメリットは全く無い。現に僕もいつの間にか体術スキルが300.0まで上がっていた。
殆どのスキルは熟練度数が1000.0で最大だ。サブスキルは100までだが、100に上がるために条件をクリアしないといけない。条件は厳しい物が多く、僕は一つもクリア出来ていない。
その代わり、100にしたときは強力な効果が発動するようになる。達成さえすれば、これまでとは比べ物にならない程強くなれる。
僕が後少しで達成出来るのは剣術スキルの「部位破壊1000回」だろう。
「近接スキルは奥の手として使ってくれ。サエコさんの主な役割は、薬品や兵器での攻撃だからな」
「分かりましたであります」
そういえば、サエコさんの「あります」は一体何なのだろうか。リアルでは警察に所属していたのか?
「リアルでは科学捜査官であります」
「ほう………道理で手慣れた動きが出来る訳だ」
スキルの補正も掛かっているだろうが、現職の科学捜査官なら安心だ。リアル知識を生かしてくれることだろう。
「さて、ミリルはどこに?」
僕の質問にラベルが答える。
「後衛でやってもらう」
「初手でコキュートス、その後は回復に専念して貰うよ」
「分かった。さて、ミリルのリハビリはいつ終わるだろうか」
「一週間は掛かるだろう。医者もそう言っていた」
全員で六人か。小さなクエストやダンジョンなら攻略できそうだ。しかし、イベントボスに対しては少し力不足だろう。
「そういえば、氷魔法最上位に"アブソリュート・ゼロ"があったな」
「いつかミリルも使えるようになるか?」
「使えるだろう。もっとも、かなりの時間を要すると思うが」




