52 会議:3
「まあ、種族なんざ気にせんでもいい」
「そうだよな………気にならないし」
実際、殆どの種族は人間とさほど容姿が変わらない。
悪魔だとかになってくると差が大きくなるが、エルフやドワーフなら気にするほどの差はない。
現に、エルフは耳が長い以外は変わらないのである。
「そういえば………クラスはどうなってるんだろうな」
カインが呟く。
「ああ、クラスか………」
「そういえば、ミリル嬢は聖女だったな」
聖女………
ミリルのクラスは、他に確認されていない。
神官系の上位クラスであろうが、出現条件ははっきりとしていない。
だが、強いのは確かだ。このレベル帯では珍しいコキュートスを使用できる上、浄化魔法も使用できる。しかも、回復魔法まで使えるのだ。
ゲーム時代、回復役はとても貴重だった。それもその筈、回復役は攻撃力が低く、序盤から回復役で進めていくことは不可能に近かった。
唯一初めから装備できる武器である杖も、どちらかと言えば武器よりも魔力ブーストの意味合いが強く、攻撃力は全武器種の中でも最低。次に使用できる武器である短剣、細剣もクラスチェンジしないと使えない。
専ら、途中から回復役に転向するプレイヤーが多いのだ。今では、回復役のプレイヤーも多いが、レベル帯で言うと1000万程のプレイヤーが多く、ミリルのように低レベルの回復役は珍しいのだ。実際、ウェーブ1突破時の回復役はミリルを含めて6人であった。
今でこそ新たな人員も増え回復役は10人以上になったが、それでも足りない位だ。
安全を重視するなら、100人全員が回復役でも良いぐらいだ。実際、2年程前に実装されたクエストでは、全員回復役でやっと攻撃を凌げるレベルだったのだ。
「そうだ、リクも変なクラスだったな」
「ああ、"深淵の孤独者"か」
「聞いたこともないな………」
「やはり、聖女と同じく隠しクラスか」
「そうだろうな」
固有魔法とおぼしきルインクロック。もしかしたら、スキルかもしれない。
時を遅くする能力だが、熟練度が設定されている。使えば使うだけ遅くなっていくのだろうか。
高レベルの相手と戦うときは必須と言っていいかもしれない。
「で、お前達はどうなんだ?」
「ああ、俺達?」
「俺は"槍聖"と"指揮官"だな」
「指揮官って、あれだろ? パーティーのリーダの時にバフが全員に掛かるあれ」
ラベルに割り込んでカインが言う。
指揮官か。確か、能力上昇系に特化したクラスだ。パーティーは勿論、レイドでも大きく貢献できるクラスだ。固有能力でパーティー全員にバフを掛けれる上、レイドなら更にステータスが上がる。確か、25%上がり、レイドなら45%だったか。
「よし、次俺な!」




