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リブート・オリジン  作者: とも
ウェーブ2:自然と風の共和
42/73

40 発信器

 「おい………リクの奴、誘拐と決め付けているみてえだな」

 「そうだな……リクはいつも、何かと悪い展開を予想する」

 「最も、その殆どが当たってしまうのが皮肉だが……」

 「そうだよなぁ……いつも当たりやがる……?」

 

 リクの去った後、ラベル達は雑談していた。冗談も含めて話していたが、今カインの顔は悲壮感に満ちている。


 「あっ……」

 「カイン、どうかしたか__!?」


 ラベルにもそれは伝搬し、更にローレウスにも伝わった。


 「そうか……当たってしまう!最悪の予想が当たってしまう!」

 「おい、こんな所で話している場合じゃねえぞ!早く追いかけるんだ!」


 

 視点:リク


 「待ってろ……今すぐ、迎えに行く」


 街を猛然と走り、Hnrのギルドホームに滑り込む。

 

 「逆探知について知ってるか!」

 

 僕が受付に話すと、受付は怯えたように話した。


 「あ、あっちです………」


 腰を抜かしたように話す受付の男。

 後から知った事だが、その時の僕は大層怖い顔をしていたそうだ。

 受付が指差す部屋に向かって礼も言わず走る。


 「……ここか!」


 ドアを蹴破って部屋に入る。鍵が掛かっていたが気にしない。


 「な、何だね君は!」

 「ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!」

 

 部屋に入ると一人の男が話し掛けてくる。


 「逆探知の結果を見たい」

 「えっ……でもあれは一般者には見せられな__」

 「いいから見せろ!」

 「は、はいぃぃぃ……」

 

 男がパソコンの画面を見せてくる。典型的なオヤジ顔の男だが、身に纏う白衣のお陰で研究者のように見える。大方、魔法か科学系のクラスだろう。

 ここで逆探知していて幸運だった。早速見せてもらう。


 「ど、どうぞ」

 「ああ、ありがとう」


 パソコンの画面を見詰める。どうやら、最後に発信が途切れたのはフェイム中央公園の端のようだ。一体何の意味が……?

 行き先を考えていた僕に、男が話し掛けてくる。


 「お名前を伺っても……?」

 「リクだ」

 「り、リク様でしたか!失礼しました!」


 僕はこいつに様付けで呼ばれる筋合いは無いが、どうせラベルが見せるように言っていたのであろう。


 「もう大丈夫だ」

 「そうですか……では、失礼します」


 僕は再び走り始めた。

 フェイム中央公園の発信源に向かって。

 辿り着いたのは公園の端の小さな広場。奇しくも、僕がミリルとコンビになった場所だ……


 「………これは」

 

 公園のベンチの下に落ちていたのは小さなペンダント。

 確か、ミリルがいつも身に付けていたものだ。

 恐らくこれが発信器の役割をしていたのだろう。

 ペンダントの水晶部分に白い結晶が埋め込まれている。どうやら、これが発信器の発信部分だろう。偽装までしてあって、防犯能力は高い。

 水晶部分は発信源ごと壊されてしまっている。フレームも割れている事を考えると、どうやら踏まれて破壊されたのだろう。ただ、焦げ跡が付いている。魔法で壊そうとしたのだろうか。やはり、誘拐の可能性が高い。しかも、このペンダントの情報を入手出来る程の強者。

 このペンダントは特注らしく、裏側にミリルの名前と製造者の名前が書いてある。惜しいことに製造者の名前は掠れて読めない。……小さく僕の名前が書かれているのは見間違えだろう。

 つまり、このペンダントの情報は限られた者しか知らないのだ。どこで情報を入手したのだろうか。


 「………ここか」

 

 マンホールの下に通路が延びている。しかも、警備ロボットまで配置されている。ただの下水道ではない………

 僕は決死の覚悟で飛び降りた。

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