38 フィールド攻略:3
「さて、準備は出来たか?」
「ああ、勿論。すっかり準備が出来た」
ラベルの質問をさらっと受け流すカイン。
「さあ、出発だ!」
僕は剣の柄を強く握った。
頼む、持ちこたえてくれよ………
今の状態では、銃は使い物にならない。僕の持つ物は勿論、市販の物も今のレベルとでは殆どダメージを与えられない。もし銃のダメージ計算が、自分の攻撃力も足していたのなら究極の武器になっていただろう。
だが、もう少しの辛抱だ。進化さえさせれば、今のレベル帯でも十分に戦えるポテンシャルを持つ銃が生まれるはず。確認こそしなかったものの、恐らく僕の持つ銃が要求する進化素材はキャンサーの進化素材ほどレアな物は要求しないであろう。精々、鉄インゴットやスチール等を大量に求められる程度か。
今回のボスは、素材であるガイアの清浄魂をドロップするらしい。出来れば、大量に保管しておきたいがそれは贅沢な事であろう。
今回のボスは牛型モンスターの強化版である。確か、闇属性と風属性の魔法を使用するらしい。ただ、引っ掛かる事がある。闇属性のモンスターが、ガイアの"清浄"魂を落とすのだろうか?清浄という言葉は、明らかに闇属性に関する言葉ではないと断言できる。もしや、一回洗浄でもしなければならないのか?いや、それを考えるのは後だ。まずは、このモンスターを倒す事から始めよう。
「見えるか?あれがボスだ」
「うわぁ、真っ黒い牛………」
「強敵の予感がするぞ」
「そうだな……取り敢えず、無属性で行こう」
「属性は、付けないのか?」
「一応初見だ。むやみに属性を付けて吸収されたらたまったもんじゃない」
一理ある。取り敢えず、属性強化魔法は使わないでおこう。
そうだな……無属性で、僕が習得している魔法は「エクスプロージョン」「マジック・ボール」辺りだ。
火力を重視するのであれば、エクスプロージョンを中心に物理攻撃で攻めていくとしよう。
幸い、このパーティはタンクであるカインが居る。他は全員アタッカーだが。
「さて、行くぞ………突撃」
ラベルの号令で動き出す。僕達は円を描くようにボスの周りに陣取った。
ボスの正面に居るカインが盾を叩いて音を出す。この世界でこそ使える挑発テクニックだ。音で引き付けて、背後から攻撃する。余程強いボスでない限り、この戦法で気をそらせるだろう。
「音は立てるなよ」
音を立てないようにしながら背後まで近寄る。カインは音を出し続けているので、こちらには気付かれていない。
「今だ!」
ラベルの声で剣を抜き放ち素早く足に一閃。四人全員で足を切り、もはやこの牛は移動すら出来ない。
僕は止めを刺すべく近くに歩み寄った。
「そういえば、清浄魂はどこに?」
「心臓か脳の近くじゃね」
相変わらず不確かな答えを返してくるカイン。まあ、やってみよう。
結論から言うと、脳の真ん中にあった。
だが、予想通り洗浄が必要で、僕達は後で洗うことにした。幸い、人数分素材があったので揉めることはなかった。
ちなみに、脳から探す時にあふれでた脳ミソは皆で焼却した。皆気持ち悪いと思っていたようであった。




