37 フィールド攻略:2
「おらぁ!」
「よし、下がれカイン!」
懐に潜り込み一閃。
確かな手応えだったが、同時に少しの残念感。
それもその筈、剣筋がぶれていたのだから。
剣が自分のステータスに追い付いていない。そのせいで剣が揺れ、確実な一手を与えられなかった。
先程の一撃でHPの大半が吹き飛び、もうゼロになっていた。
「どうかしたか?リク。少し考え込んでいたようだが__」
「いや、何でもない。攻略を進めよう」
剣に付いた血を拭き取り鞘にしまう。
ウェーブ2のフィールドには、大きく分けて5種類モンスターが居る。
牛型、熊型、鳥形、植物型、魚。
平原エリアには牛、鳥、植物が。森エリアには熊、鳥、植物。湖には魚と鳥が生息している。
先程のモンスターは牛型のモンスターだ。今は町からそう離れない平原に居る。もう少しで森エリアに到達する頃だ。
出来れば植物型には出会いたくない。なぜなら、植物型モンスターの吐く酸が武器を溶かしてしまうからだ。耐久地が大幅に減少し、最悪の場合、武器欠損つまり武器が壊れてしまう事がある。僕は耐久力回復の魔法もアイテムも持っていない。幸いミリルが耐久力を回復するアーム・ヒーリングなる魔法を習得していたが、今は居ないのでそれには頼れない。
「もうすぐ森エリアだが、どうする?先程ボスモンスターらしきものを見掛けたが………」
「勿論行くさ。皆もそれで良いか?」
「ああ、勿論だぜ!」
張り切った調子でカインが答える。
こいつは前から変わって無い。リアルでは、一歳違いの友人だがその時から全く性格は変わっていない。活発なお調子者。そう言うのがベストだろう。
「待った」
「どうしたローレウス、行かないのか?」
「いや……気になっていた事があってな」
「言ってみろ」
「変だと思わないか?リク、ラベル、カイン。このダンジョンには、他のダンジョンに居るモンスターとは全く違うモンスターが生息している。このフィールドだってそうだ。系統は同じでも、生息するモンスターは全くの別物。同じモンスターが居たのは、この前のウェーブボス。しかし、他のモンスターは全くの別物だった。なら、今から戦うボスもほぼ初見と言って良い。十分に回復してから行くべきだ」
「確かに、一理ある。一旦休憩、十分後に再出発する」
近くの木に寄りかかり僕はポーションを飲んだ。
こんな時にミリルが居れば、回復も道具無しで行えるし強化魔法も掛けてもらえるのに……
まあ、今回は居ないものはしょうがない。ミリルが居なくても十分に戦える事を証明する。
「どう思う、リク君。さっきの話だ」
「そうだな………確かに、ダンジョンの内部と他では全く生態系が違う。だが、当然じゃないか?」
「まあ、そうだろうが……一回だけ、他の場所でも見たことのあるモンスターがいた。」
「何だって?話してくれ」
「黒死竜ネフェリ。ウェーブ1ボスだ」
「いや……知らない。あいつは、他では見たことがない」
「知らないのは当然だろう。あいつは、レベル1900万クエストのボスラッシュで出現するのだからな」
「弱体化されているのか………?」
「そうだ。実際は、もっと巨大で攻撃方法も多いらしい。あれで弱体化されているとは少し怖い話だ」
「つまり、他のモンスターと同種を生み出せるのか、このダンジョンは………」
「そう考えて良いだろう。おっと、そろそろ時間だ。私はもう行く」
そう言ってラベル達の元に戻るローレウス。そろそろ僕も戻るとしよう。




