36 フィールド攻略
次の朝だ。
昨日居なくても今日は居るだろうとミリルを呼びに行ったが、何故か今日も居ない。
まあ、こんな事もある、と心を落ち着けた。
「何だとぉ!?」
予想通りの反応だった。
カインがミリルが居ない事を知った瞬間、叫んだのだ。
それも当然、一緒に攻略すると約束していたのだから。
「リクぅぅ!」
「どうしてミリルが居ない!」
「いや、昨日から居なくて……」
必死に弁明するがそれでもカインの剣幕は激しくなるばかり。
「待て待て、カイン。居ないことは仕方ないだろう」
ラベルが抑え、さらにローレウスも続く。
「カイン。ミリル孃が居なくとも大丈夫だろう」
ミリルは、ウェーブ攻略での活躍から、「聖女ミリル」は勿論「ミリル様」、「ミリル孃」まで様々な呼び名で呼ばれている。もうすぐファンクラブでも出来そうな勢いだ。だが、それと同時に僕への視線がきつくなってきているような………
「勘違いだろう」
って、読まれた!?
「だから、フィールドでボスを見掛けたのは勘違いだろう」
良かった、読まれた訳では無さそうだ。
「どう思う、リク君。フィールドボスを探すべきか」
「ううん………探そう(素材欲しいし)」
「よし、今からフィールドに直行だ!」
僕の答えを聞いた瞬間ラベルが駆け出す。フィールドに続く大門に向かい、全力ダッシュしている。
「ま、待ってくれラベル君!」
「ちょっ、ちょっと待てぇ!」
カインとローレウスも負けじと走り出す。
早い……僕と同じ位早いぞ………
僕もレベルは高い。しかし、それよりもレベルの低いカインに負けるとは。
ルウェイスはレベルが350万と、トップに立っている。僕の約1.5倍のレベルだ。
それなら負けても問題は無いが、カインに負けるのは少し残念だ。
僕がスピード型のタイプでは無いことも原因ではあるが。
門の外に出ると、ラベルが待っている。
「遅いぞ、皆」
「おめえが早いんだよ!」
すっかりお馴染みになったコントのようなラベルとカインの会話を右目に、空を見た。
始めにここに来たときは、空になんて目もくれず攻略をしていた。
清んだ青い空だ。日本では見れない。もっとも、僕の家のある丘よりも低い位置だ。実際は、ここは10万メートルの高空ではあるが、空はまるで空間が歪んだかのようだ。
前に外周階段を見た時は、遥か下に雲があって、凄く驚いた。地球であれば100万層なんて軽く大気圏を抜けて宇宙だ。
「おいおい、何ボケッとしてんだ?行くぞ」
カインに連れられてフィールドを歩き始めた。自然のフィールドの自然の罠。警戒が必要だ。




