32 デュエルランキング
「で、今からある重大な事を話す訳だが……」
「早く話せや」
カインが関西弁?になっている。
この会議は人のキャラを変えるのか?
「デュエル、知ってるか」
知ってるとかの問題ではない。ゲームではいざこざを解決する方法でもある。
プレイヤー対プレイヤーのバトルであり、イベント等でもよく行われた。
「ああ、知ってるが……」
「総合ランキングはデュエルで覆せる」
「意味が分からないぞ」
簡潔すぎて逆に意味が分からない。
覆せる?どういう事だ……
「総合ランキングは、基本俺達の体力ゲージの上に有るだろう?」
確かに、ランキングはゲージの上だ。
この世界では、ランキングのみがプレイヤーかそうでないかを判別できる。
「ランキングが下の奴が上をデュエルで倒すとポイントに関わらず下の奴が上に上がる事が確認された」
「例えば、ランキング1000位が500を倒すと1000の方は500に、500は501になる」
つまり、下克上か。
総合ランキングは、ステータスは勿論、スキルや称号をポイント換算してランキングにしている。ランキングが同じ、それは全く同じステータスであるか、スキルなどの影響で偶然揃った時にしか発生しない。それ故に上下がはっきりと決まり、格上が簡単に分かるのだ。この世界では格上が判別できる事で多くの利点がある。
それは、第一に安全だ。襲われても格上なら逃げれるし、格下なら迎え撃てる。それ以外にも利点はあるが、大きいのは上下関係がはっきりとする事だろう。
ギルド等では、論争が戦いに発展する可能性があり、死の危険性もある。だが、そこに格上が入ってくれば、自分達が負ける、その可能性も有るのだ。仲介役は格上であるのが望ましい。
「そのランキングで、不思議に思った事は無いか?」
「いや、無いが」
質問を簡単に受け流す。
ラベル、落ち込むなよ……リーダーだろ?
「51位から上だ。一位は別として、二位から51位までに問題がある」
「この50人、不思議なことに中でランキング変動はあるが、他のプレイヤーがここに入ってきたことはない。つまり51より上はその五十一人で独占されてる」
「そりゃあ、強いからだろう」
ラベルの指摘にカインが答える。確かに、独占されてるだけでは問題にならない。
「で、この世界で情報を集めたらだ。"意図的に"独占されてるんだ」
「2から51までは、上級者達の間で"マスターJ"と呼ばれている」
「マスターJ?何かの略か?」
「マスタージョブ、だそうだ。一人一人一つの最上級クラスを極めてるらしい」
「納得だ。そんな奴等なら追い抜かされはしないだろうよ」
カインが一人で納得する。
「で、そのマスターJだが全員公認アカウントだ」
「公認?つまり、運営が最強だって認めてる訳か」
「まあ、それで正しいだろう。この世界の最強の象徴、だから運営もランキングを独占させたのだろうな」
「で?それが本題じゃ無いだろう」
「ああ。実は、フェイムの闘技場でデュエルイベントが開かれるのだよ」
「いや、何もそれだけで呼び出す必要は無いだろう」
「同感だ。その事だけに呼び出さないで欲しい」
カインとローレウスからズタズタにされるラベル。
「じゃあ、その大会でマスターJの引き継ぎ戦が有ったら?」
「おい……まさか」
「そうだ。上位八名まではマスターJと戦う権利が与えられ、勝利を納めれば晴れてマスターJに認められる」
「攻略集団として、マスターJが居れば士気も上がるだろう?」
「……マスターJ、僕達より遥かに強いよね……勝てるのか?」
「あっ」




