30 ウェーブ2の扉
ウェーブ2街フロアの扉を解除する。
この時点で転移ロック解除の知らせが聞こえてくる。
どこから響くのかは知らないが、スキルの熟練度の上昇、スキル獲得等を伝えてくる声だ。
ウェーブ2の街は、ウェーブ1とは違い木造の建築物が立ち並ぶ。街フロアは、宿屋等のこの世界の必須事項が最低限設置されている。
僕達がウェーブ2の扉を解除したため、誰もまだウェーブ2の街には来てはいないだろうが、それでも人だかりが出来るほど賑わっている。この世界の人々だろうが、どこから来たのか不思議に思える。この世界は最早ゲームではなく、一つの現実だ。何らかの理由でこの街に居るのであろう。
「ちょっと、暑いですね……」
「そうだな。環境的に、暑い気候の街になってる」
「湖、森、平原でしたよね……なら、ここは何処になるんでしょう」
「ううん……平原かな……」
唸る僕達。まあ、ダンジョンフロアに着けば攻略が開始できるのだからそんなことは関係ない。
辺りを見回して、宿屋を探そうとするが、見つからない。それどころか、有り得ない事に気が付いてしまった。
街フロアの壁が見えない。
ウェーブ1、街フロアは直径一キロ程の円形であった。スキルにより強化された僕の目であれば、壁まで見えたのである。
だが、今は壁は見えない。昼間なので、光が届いていないことは無いだろうがどういうことか。
「取り敢えず、ダンジョンフロアに行きましょう」
唸る僕を見て何を考えているか察したのであろう、ミリルが話し掛けてくる。
僕達は歩き出した。
辺り一面木造、瓦も使われているので和風と言った所か。
少し歩いたところで宿屋を見付ける。いつもと形が違うので見つけ辛かっただけのようだ。
大通りを歩き続け、遂に転移ゲートまで辿り着く。
この近くにダンジョンフロアへの階段がある筈だが、ここにあるのは大門だった。
分かったことがある。
どうやら、このウェーブはフィールド式らしい。街と隣接してフィールドが存在し、そこにあるダンジョンの最奥の転移ゲートでやっとダンジョンフロアらしい。
フィールドがある分、ダンジョンフロアは少なくなっているようだが、フィールドにはボスが居る上にダンジョンはゲーム時代とほぼ変わらない。
ある程度最速でフィールドを攻略した僕達は、そこまで情報を掴んだ。
僕がタブレットから接続した掲示板では、ウェーブ1のようなダンジョン形式をダンジョン式、ウェーブ2のようにフィールドがあるダンジョン形式をフィールド式としていた。
転移ゲート解除から二時間。
攻略目的のプレイヤーが続々と上がってくる事だろう。
勿論、観光目的の者も。ウェーブ1は、中世風の街であったことから、街は観光地となっている。日本風のウェーブ2には、さらに多くの観光客が来そうだ。
フィールドから街へ戻り、宿屋を取る。
フィールド式なのでもう街フロアに宿を構えても良いだろう。ウェーブ2のレベル基準は階層×15らしい。だいたいレベル300万と言った所か。三百万以降は武器も新しい物に変えないと手詰まりを起こしそうだ。




