28 Neferi the black of death dragon
ついにこの日が来た。ウェーブ1攻略、ウェーブ2への階段。
ボス部屋の前に僕達は居た。
「ついに今日、ウェーブ1の攻略だ!」
「俺達は絶対に勝つ!勝ってウェーブ2に行こう!」
「いつかウェーブ100を攻略するんだ!」
ラベルの激励に皆が叫ぶ。
口々に叫び勝利を求める。
この世界では負けることは許されない。負ければそれは死を意味する。
絶対に誰も犠牲にしない。そう誓って僕はここに居る。
「さて、ここで作戦変更だ!」
「今回のボスに、凍結が効く可能性がある!そこで、彼女……ミリルに頼むことにした」
ラベルに呼ばれてミリルが出てくる。
「宜しくお願いします」
ミリルがペコリと頭を下げる。
彼女は相当な美少女でもある。あれで心を奪われたプレイヤーも多いだろう。恐らく、僕の元に詰め寄ってくるのだろうが。
……視線を感じる。気にしない方が良いだろう。
「さあ、行くぞ!」
ラベルがボス部屋の大扉を開ける。
開けた扉の向こうに、ホールが開けていた。
恐る恐る入る。
巨大なホールだ。だが、そこには何もない。ドラゴンの姿も、何も。
「どうしたんだ……?」
誰かが呟いたと同時に、異変は起こった。
光の粒子が集まっていく。そして、集まった光はドラゴンの形を作り……実体化した。
これは、まさしくソードマジックのボス出現エフェクト。
ドラゴンが一声吠え、HPバーが表示される。
個体名"Neferi the black of death dragon"。
黒死竜ネフェリ。それがウェーブ1のボスだった。
「陣形を整えろ!」
ラベルの指示で陣形が整えられる。
それに反応したかのようにネフェリも動き出す。
漆黒の身体から繰り出される雷ブレス。
それをタンク班が受け止める。雷ブレスは受け止められても多少広がる。念のため距離を取って攻撃を凌ぐ。
「いまだ!ミリル、やれ!」
ブレスの直後にミリルのコキュートスが炸裂する。
予想通りネフェリは凍りつく。
「アタッカー班、攻撃!」
凍りついたドラゴンを次々に攻撃していく。勿論、氷を溶かす可能性のある火魔法や炎魔法は使わない。
攻撃を受けてなおネフェリは体力を維持している。
僕も攻撃しに行こうか。
ルインクロック、発動。
遅くなった時の中で僕はネフェリの足__首は諦めた__を切り落とす。
今の攻撃に反応したのかネフェリが力を入れた。
氷が砕け散る。またネフェリが動き出してしまった。
だが、間髪入れずにミリルのコキュートスが発動する。しかし、もう既にネフェリの雑魚呼び寄せ攻撃は開始してしまった。
召喚エフェクトと共にドラゴンが現れる。
「雑魚を優先して倒せ!」
この状態でもラベルの指示は的確に働く。
雑魚にターゲットして皆が動き出す。的確な動作で雑魚は倒されていく。
素材にも目をくれず再びネフェリを攻撃する。
だがそこでネフェリが動いた。ネフェリからオーラが発せられる。驚いて離れるがもう遅かった。一瞬にして衝撃が広がり僕達をオーラが包んだのだ。
強烈な倦怠感。生命力を吸いとられるような気分だ。こんな攻撃は情報にはなかった筈だが……




