19 初勝利
冷静に周りを見回す。いつに間に集まったのか雑魚ドラゴンが大量に集まっていた。
少しは他に気付いてくれるのを願い銃でドラゴン達を撃ち抜く。
銃弾がドラゴン達を撃ち抜くがやはりゴースト系のようで殆どダメージは与えられない。
銃声に気付いたプレイヤー達はネームドを削る班と分かれて周りのドラゴンを倒している。
やがて全員がドラゴン達に気付くがもう手遅れだ。ネームドとの戦いで傷は無かったものの疲労したプレイヤー達が周りのドラゴンに勝てる可能性は殆ど無い。
ネームドへの攻撃を優先して遂にHPを削りきる。
ネームドが倒れた途端周りのドラゴンもおとなしくなってしまった。
「ギャオーン!!」
ネームドの最後の雄叫びが塔の迷宮に響いた。
周りのドラゴンは次々に霧となって消えてしまう。
「やったか……?」
誰かが呟いた。その声でプレイヤー達は次々に声を上げる。
「やったぞぉ!」
「やった、やったんだ!」
次々に歓喜の声を上げるプレイヤー達。
もう、周りにドラゴンは居ない。
うん?
いや、あそこに一匹……
もう既に僕は走り出していた。
そのドラゴンが爪を降り下ろそうとしたその時だった。
僕の剣がドラゴンの爪に食い込む。
すぐ下にいた少女にも逃げろと伝えて僕はドラゴンを切り刻んだ。
この手応え、ゴーストじゃない。普通のドラゴンだから生き残ったのか?
取り合えずプレイヤーは守れた。剣をドラゴンから抜き鞘にしまう。
「あの……ありがとう」
「礼には及ばないさ」
さっきの少女か。ランキングは僕とさほど変わらない。ステータスは低そうだし装備が良いのだろうか。
厄介事を避けるため早々に退散する。
転移門でフェイム中央公園へテレポート。
「お疲れ、皆」
事後会議でラベルが声を掛ける。
「今回はさほど苦難も無く倒せたがウェーブボスはそうは行かないだろう。今日も雑魚に囲まれてしまった」
皆が頷く。勿論、僕も。
今回ではネームド本体の強さはそれほどでも無かったが雑魚の呼び寄せに苦戦した。広範囲攻撃をしたいものだ。
ゴースト系とは思わなかった為武器も物理だった。魔法武器も必要だろうか。
現実となったお陰で予想外の事が連続する。
やはり、レベルを上げて上層に行かなければならないだろうか。情報によると適正レベルは層×100だと言われる。今回は9900層台なので約1000000だろうか。僕は少し上回っている。
スキルも上げたいものだ。スキルスロットに類する物は無い。いくらでも熟練度は上げられる。
これからの課題に心を改めながら僕は夜を過ごした。




