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リブート・オリジン  作者: とも
ウェーブ1:暗き迷宮
17/73

15 pvp再び

 「素材渡して貰おうか」


 難癖を付けて素材を奪うやり方だろう。

 逃げたいのは山々だが相手は八人。

 逃げ切れる可能性は限り無く低い。

 

 「カイン、逃げろ」


 小声でカインに囁く。

 気付かれてはいない。


 「分かった。ちゃんと帰ってこい」


 カインが後方の転移門に向かって走り出す。

 呼び止めてきたパーティが追いかけようとするが僕が相手を止める。


 「おおう?俺達に歯向かう気か?」


 呼び止めてきた関西弁男とは違う男が挑発してくる。


 「さあ、素材を出すんや」

 「悪いがお断りさせてもらう」


 勿論断る。素材は渡さない。換金でも使えるし死活問題なのだ。しかもネームドの素材だ。


 「おっと、君最前線組だね。私達は"聖騎士団の誓い"のメンバーだ。死にたくなければ素材を渡しなさい」

 

 後ろの女が呼び掛けてくる。

 成る程、Hnrか。強硬派であるHnrのメンバーに絡まれてしまったのは少々厄介だ。

 しかも"死にたくなければ"と言う辺り渡さなければ抹殺する気だろうか。

 いや、ブラフだろう。脅して素材を奪う気だ。だが、手荒い事をしてでも奪い取ろうとするかもしれない。

 よくよく観察すると、先程の男二人以外、残り六人は全員女だ。プレイヤーの性別割合は男の方が多いだろうが、何故だろうか。

 いや、もしかしたら性別はアバターに揃えられるのかもしれない。本来の性別は違う可能性がある。

 ともかく、警戒しなければいけない。

 後ろ手でリボルバーに麻酔弾を込める。

 気付いてはいない。お互い沈黙を保っている。


 「言っとくがワイらはレベル150万やで!攻略集団にはワイらより高い奴は居ないって調べ終わっとるんや。戦おうとしても無駄やで」

 「残念だったな。僕はレベル162万だ」

 「な、何やて!?メグラ、情報は確かやって言ったとったやないか!」

 

 動揺する関西弁男。

 メグラと呼ばれた女の方を振り返り怒鳴っている。

 恐らく情報を集めていたのだろう。残念ながら僕のレベルは言及していない。そして実は165万だ。

 あちらも騙されていることになる。


 「取り合えずこちらは八人やで!レベルは関係無いんや!死にたくなければ素材だしなや!」

 

 男の声に反応して残りの七人が動き出す。

 明確な殺意が感じ取れる。前のパーティーとは違う。

 前襲ってきたパーティーは戦力を見せ付けて無力化するようだった。

 だが今回のパーティーは真正面から殺そうとしてきている。

 まず関西弁男が斧で斬りかかって来る。右手の剣で斧を受け止め、左のリボルバーで麻痺させる。

 流れるように次の敵を狙い打つ。

 何発かは当たらなかったが、敵全体を怯ませる程度の事は出来た筈だ。


 「ちっ、強い」

 「撤退しろ!俺が片付ける」


 残りの中の男が叫び、残りの女が逃げていく。

 後には倒れた二人と男だけ。


 「よくもやってくれたな。覚悟しろよ!」


 短剣を持った手が跳ね上がってくる。

 僕は手を掴み投げ飛ばした。


 「何っ!?」

 「悪いが、眠ってもらおう」


 倒れた男を銃で撃ち抜く。

 麻酔によって眠った男を一瞥し、転移門から出てくる集団を見据える。


 「無事か、リク」

 「無事さ、カイン」

 「それにしても、こんな犯罪まがいの事をしようとする奴もいるのか」

 「Hnrだった。多分強硬派だろうな」

 「分かった。無事で良かったぜ」


 一段落着いたが、まだ残りの女が残っている。

 早めに捕まえた方がいいかもしれない。

 いや、これから先程のようなプレイヤーも増えるだろう。さて、どうしたものか……

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