ばっとえんど
人が簡単に死んでいく。小説の世界で。
自由という法律のもと、簡単にレイプされていく登場人物。
悲しいな。あぁ…悲しいな。
僕の小説では何人不幸になって、何人死んだのかな?
ごめんよ、みんな。すみません。
『なんで僕たちを殺すの?』
物語を楽しくするためさ。
『僕たちが死んだら、そっちの人達は楽しいの?』
悲しいさ。悲しくないはず無いだろう?
さぁ、物語を面白くするために、今度はどうしようか…?
『また私、レイプされるの?』
ごめんよ、仕方ないんだ。
『また僕が襲うのかい?』
そうだよ。読者のために、頼んだよ。
『筆を置いてくれ。僕たちは、生きたいだけなんだ!自分で、生きたいだけなんだ!』
僕がいるから、お前は存在してるんだ。黙っていやがれ。
『戦争なんてしたくないんだ!止めてくれ、子どもだけは…』
お前が殺されるから、子どもが仇を討つんだ。お前のせいだ、僕は悪くない。
『俺に、この世界を託さないでくれ…。お前の筆で、たった一文字で良い。世界を救ってくれ…』
お前がアイツを倒せば良いんだよ。僕に言うな。
『お願い』『お願い』『お願い』『お願い』……
…
…
『この世界を』
『終わらせないで…』
『あの人を…』
『死なせないでぇぇぇ…』
ごめんよ、ごめんよ。
僕は知らないんだ。なにも、なにも…。
なんにも。
ただ、
都合よく
物語を
進めたかった
だけなんだ。
『た す け て』
しかた、ないんだよ。
フィクションだもの。君は。