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あの後、私は一生懸命勉強した。すべては、図書館での読書生活を謳歌するために!!
私の願いが届いたのか、私は無事に合格することができた。そして、そんな私を待っていたのは野球観戦チケットだったのだ!!
「そ、それは。ま、まさか?!」
「うん。ホームでおこなわれる青流ドッグス対大阪キャットファイターズの試合のチケットだよ。」
驚きを隠せない私を微笑ましげに見つめるのは、父である中島和也である。スポーツが好きすぎて、スポーツドクターになってしまった人だ。
「お母さんは、本棚を推してたんだけど、明里だったら野球観戦が一番嬉しいんじゃないかと思ってね。」
(嘘付け!!生で観戦したかったのはお父さんとお兄ちゃんでしょうが!!)
しかし、野球観戦も好きなのは本当なので、正直に感謝することにした。
「ありがとう!!お父さん、お母さん!!」
「俺には?」
わざわざ、自分自身を指差して感謝の言葉を期待している兄をあえてスルーして、自分の部屋に戻った。
(野球観戦なんて、久しぶりじゃないか?お兄ちゃんが小学生の頃に一緒に観に行ったらしいんだけど、あまり覚えてないからな~。楽しみだな~。グッズ売り場で筆記用具を揃えてみるのもいいな。)
などと、考えていると、ふと、前回の見学会で会話した立川少年を思いだした。
(しかし、改めて考えてみると、ゲームと容姿が違うよね。髪はスポーツ苅りじゃなかったはずなんだけど・・・。高校生になると、オシャレに気を使うのかな?)
などと、相手のいぬ間に勝手な事を考えていた。
(いろいろ考えてもしょうがない。前世の時も、中学校では、あまり男子と会話することもなかったから、今回もあまりしないと思うんだよね。自分でいうのもなんだが、主人公頑張れよ。)
見えない未来の相手に心からエールを送りながら、私は読みかけだった本を読み始めた。
それが、フラグだというのも知らずに・・・・・。