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「高柳先輩?なぜこのようなところに?」
俺様先輩の笑いがある程度落ち着いたところで質問をした。
「中島妹・・・お前本当に知らないんだな。いや、興味がないだけか?」
「興味とは?」
「はい、ここで中島妹に問題だ。いつもの俺様と違うところが1ヵ所だけある。どこだ?」
突然始まった間違い探しに驚きながらもいつもと違うところを私は探し始めることにした。
(適当に昨日よりイケメンですねというべきか?いや、そんなことを言おう物なら鼻で笑われる気がする。探しだせ、いつもの俺様先輩と違うところを!!)
「はい、時間ぎれ。答えはなんだ?てか、そこまで考えこむことか?」
開演10分前のアナウンスと同時に少し呆れぎみに答えを求められた。
「はいはい、いつもと違うところですね?それは、つまり目の下にクマができてるところでしょうか?いつものイケメンが少しばかり半減といったところでしょうか?正解ですよね?では、友人が席を見つけてくれたので私は座ります。では、また!!」
早口で俺様先輩に自信に満ちた答えをいうと、手を振っているまどかの方向に向かってはや歩きで向かって行った。
「あいつ・・・・本当に中島妹だな。兄貴と同じとこに気がつくんだな。てか、本当に俺様の役職知らないんだな。」
明里が過ぎ去った場所をしみじみと眺めながら俺様先輩は笑いながら腕に付けた「生徒会」と書かれた腕章をなでた。
なお、彼女が彼がこの学園の中等部の生徒会長と知るのは友人のまどかに席に座った時に質問された時で俺様先輩と別れてすぐのことだった。




